ピーター・ジャクソン監督のVFX制作会社がアニメーション製作部門を新設
2020年6月23日 11:00

[映画.com ニュース]ピーター・ジャクソン監督率いる世界屈指のVFX制作会社WETAデジタルが、アニメーション部門を新たに立ち上げたことが明らかになった。米ハリウッド・レポーターが報じている。
「WETAアニメーテッド」と名づけられた新部門は、長編アニメーション映画を中心としたオリジナルコンテンツの企画開発から制作までを一貫して手がけることから、部門というよりむしろスタジオに近い独立した存在。同紙によれば、ジャクソン監督と妻で脚本家のフラン・ウォルシュは、共同で脚本・監督・製作を務めるアニメーション映画の企画を、すでにいくつか進めているという。
ジャクソン監督は、ピクサーやドリームワークスといった大きな成功を収めているアニメーションスタジオのやり方にならい、有能なプロデューサーや監督を外部から雇い入れることで、しっかりとした土台を築くと同時に、WETAが誇る最先端のVFX技術とアーティストたちの職人技をフル活用して、ユニークなアニメーション映画を作っていきたい意向。「アニメーションというストーリーテリングの手法には、以前から非常に興味を持っていたものの、アニメーション映画作りは実写映画より時間もかかるし高くつくという点で、尻込みしていました」「しかしそれこそが、新部門を立ち上げた理由のひとつなんです。アニメーション映画作りにおける既存のモデルに変革をもたらすことで、今まで才能を存分に発揮できないでいた多くのフィルムメーカーとストーリーテラーたちに、活躍の場を広げるチャンスを与えられればと思っています」と明かしている。
また、WETAデジタルは新部門の設立と併せ、EDMイベント運営会社SFXエンターテイメントの元CCOで、VODシステム「スクリーニング・ルーム」の共同設立者として知られるプレム・アカラジュ氏を、初代CEO(最高経営責任者)に迎えたことを発表した。
アカラジュ氏は今後、3度のアカデミー賞視覚効果賞に輝くVFXスーパーバイザーのジョー・レッテリ、エグゼクティブVFXプロデューサーのデビッド・コンリーら、ベテラン勢からなるシニア・クリエイティブ・チームと連携のもと、オリジナルコンテンツの企画開発と企業のさらなる成長に向けたビジネスに携わっていくとのことだ。
ジャクソン監督の故郷ニュージーランドのウェリントンに拠点を構えるWETAデジタルは現在、同社で働く1550人のアーティスト&エンジニアが総力をあげて、続編4本が同時進行で製作されている「アバター」のVFX作業に取りかかっている。
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