16の島国の音楽が紡ぐ壮大なアンサンブル 「大海原のソングライン」予告編完成&公開日変更
2020年3月25日 05:00
[映画.com ニュース]太平洋、インド洋に浮かぶ16の島国に残る伝統的な音楽とパフォーマンスを記録した音楽ドキュメンタリー「大海原のソングライン」の予告編とポスタービジュアルがお披露目された。あわせて、新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、公開日は当初の4月下旬から5月下旬に変更となった。
5000年前に太平洋を航海していた人々は、数千年にわたり大海原を攻略し、地球の半分を覆う様々な島にたどり着いた。文字が普及する前の時代、勇敢な船乗りたちは行く先々で音楽によって交流した。さらに、オーストラリアの原住民たちは、歌を通して物語や知識を伝承していた。食べても安全な植物はどれか、どうやって作物を育てるか、どうやって水を見つけるか――生活に必要な知識を、歌にのせて伝えていったという。
音楽プロデューサーのティム・コールが監督、バオバオ・チェンがプロデューサーを務め、自然を歌い世界を表現する“ソングライン”と呼ばれる思想、信仰に基づき、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、マダカスカル、イースター島など世界各地でのセッションを記録。「先祖から受け継いだその土地に残る伝統的な楽器を演奏し、母語で話し、歌ってもらう」「イコライザーとレベル調整は行うが、リバーブやエコー等のデジタル・エファクトは使用しない」などいくつかのルールの下、出演者が自ら選んだロケーションの中で奏でた音を、オーバーダビングしていく方法で製作された。
予告編では、自然豊かな場所で、それぞれの衣装に身を包んだ人々が楽器を携え、演奏するエネルギッシュな姿を活写。不思議な音色はやがてひとつになり、言葉や国を超えた壮大なアンサンブルが生まれる。出演したソロモン諸島のチャールズ・マイマロシアは、「この5000年、同じルーツをもつ人々が一緒に何かを作り上げたのは初ではないでしょうか。すごいことです」と、プロジェクトに参加できた喜びを語っている。
本作に関して、ブロードキャスターのピーター・バラカンは、「音楽の心地よさと映像の美しさでずっとリピートにしたくなる映画です」と絶賛。ラッパーのダースレイダーは、「言葉より前に歌があった。海に漂い、風に流されるが如く音と歌に身を任せる。すると自分の奥底にさざ波が起きてくる。その波が自分より大きな存在へと導いてくれるのだ」とコメントを寄せている。
「大海原のソングライン」は、5月下旬に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。
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