【ホラー映画コラム】“アダムの拳”が炸裂!バイオレンス・アクションの革命「アダム・チャップリン」
2019年11月24日 11:00

[映画.com ニュース] Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるホラー映画コラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE」の配信中のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くす! 11月の作品はイタリア発のバイオレンス・アクション「アダム・チャップリン 最・強・復・讐・者」を紹介する。
このコラムを読んでいる方ならご存知かと思うが、イタリアに超グロいバイオレンス・アクションやホラーばかり作るネクロストームという映画制作会社がある。その会社を立ち上げた1人であるエマニュアル・デ・サンティという男が、監督・脚本・音楽を兼任し、更には自ら身体をムッキムキに鍛え上げて主人公も演じた渾身の一作であり、ネクロストームの名を世界に知らしめたのが、本作「アダム・チャップリン 最・強・復・讐・者」である。
あらすじは至ってシンプル。町を牛耳る悪い奴らに奥さんを焼き殺された男が、悪魔と契約を交わして超パワーを獲得し、悪党どもに復讐を開始していく!! という超ドストレートなリベンジモノだ。

本作は、サンティさんが「北斗の拳」をはじめとする日本のマンガ・アニメに強い影響を受けて作り上げた作品である。その影響がモロに反映された、強烈なバイオレンス&ゴア描写が本作の大きな売りの一つとなっている。
これがとにかく凄い。やりすぎなんてもんじゃない。一度戦いが始まれば、尋常じゃない量の血しぶきがバッシャバッシャと飛び交い、肉体が原形をとどめないレベルまで損壊する。
全編、常軌を逸した人体破壊シーンのオンパレード。しかし、作りこまれているが手作り感の残る特殊造形や演出のおかげもあり、そこまで不快感はこみ上げない。むしろ場面によっては爽快感の方が強い。限界まで熟れた果実みたいに人体が脆く弾け飛びまくるが、ギリギリ飯を食いながらでも観られそうなバランス(※個人差はあると思います)が見事だ。
その人体破壊を生み出す、主人公アダムの明らかに北斗の拳にインスパイアされたであろう超豪快なアクションも素晴らしい出来。敵に向かって、ほぼ北斗百裂拳な目にも止まらぬ超連撃がバババババッ!!!と凄まじい勢いで繰り出される。
その一撃一撃によって段々と敵の肉体が削られていき、とどめに強力な一発! 壁をブチ破りながら遥か遠くに吹っ飛ぶ人体!! というマンガチックな演出が最高に楽しい。

H.A.B.S(ハイパーリアリスティック・アニメ・ブラッド・シミュレーション)と名付けられた独自の技術を用いて、マンガやアニメそのままの残像表現と実写を融合させた映像が、凄まじい迫力と怒涛の勢いを生み出している。
ゴアゴアなのに不快より爽快感が勝つ要因の一つに、この豪快極まるアクションも挙げられる。アダムの拳が存分に炸裂するクライマックスの対多人数バトルは、まさにバイオレンス・アクションの革命。敵1人1人の肉体を必ず違う方法で破壊してくれるのもうれしい。正直、ストーリーはかなりダレるところもあるのだが、アダムの戦闘シーンがあまりにも最高すぎて完全に帳消しになっている。
また、アダム役のサンティさんの熱演も素晴らしく、残像バリバリの無茶苦茶な高速連撃アクションに強い説得力をもたらしている。そしてなんといっても、悪魔と手を組み無慈悲に敵を殲滅していくアダムの姿がとにかくイカす。一挙手一投足から滲み出るバイオレンス主人公オーラに惚れ惚れする。
クライマックスに差し掛かったところで、アダムが爆発と共に人間串刺し棒(この時串刺しにされているのがサンティさんの実弟ジュリオ・デ・サンティさんです)を持ちながら登場するシーンは、マジでCOOLすぎて思わず失禁するかと思ったよ。このサンティさんの迫真の演技のおかげで、本作はただ荒唐無稽なものではなく、無茶苦茶だけど超絶カッコいいアクションとなったのだ。
サンティさんの熱意が全投入された本作は、公開後に熱狂的な人気を獲得した。そして、今でもツイッター上などで長く語り継がれている。中には、本作のソフトを全バージョンコンプリートしたうえに、それぞれ複数枚所有する「アダム・チャップリン屋さん」と呼ばれる猛者もいる。それほどまでに人の心を掴む作品なのだ。
人は選ぶと思うが、グロに耐性があってバイオレンスが大好きな方は、是非この機会にOSOREZONEで鑑賞してほしい。きっと何か熱いものがこみ上げてくるはずだ。こみ上げなかったらごめんなさい。いや、こみ上げる!! そして、もし本作を気に入ったら、更にゴア度が増したエクステンデッド版を買うのだ!!!
ちなみに、ネクロストームはその後も、ヒットマンが地獄旅をしながら銃を撃ちまくるハードゴアFPSホラーアクション映画「ヒットマン:ザ・バトルフィールド(原題:Hotel Infelno)」シリーズなど、精力的にグロ特化型の作品を生み出し続けている。血と肉体破壊の伝道師集団ネクロストームの末永い活躍を祈っている。
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