「海山 たけのおと」でアメリカ人尺八奏者が奏でる“尺八革命”に感嘆!
2019年9月27日 17:00
[映画.com ニュース]アメリカ人尺八奏者のジョン・海山・ネプチューンをフィーチャーしたドキュメンタリー「海山 たけのおと」で、本作を撮ったジョンの息子で映像作家のデビッド・ネプチューン監督が来日し、ネプチューン親子を迎えた会見とミニライブが、9月26日に公益社団法人日本外国特派員協会で開催された。
カリフォルニア生まれのジョン・ネプチューンは、ハワイ大学で民族音楽を学んでいた際に出会った尺八に魅了され、22歳で単身来日。尺八を学び、尺八都山流師範の免許を取得し、雅号「海山(かいざん)」を授かる。現在は千葉に建てたドームハウスに住み、奏者、作曲家、製管師として活躍中だ。
デビッド監督は足かけ5年を費やして本作を手掛けた。「収録した映像は、500~600時間分となり、映画が3本くらい作れそうな分量となった。さらに、僕の幼少期から、父が撮ってきたVHSビデオが56本もあった。ただ、保存状態が悪く、カビが生えていたので、それをクリーニング後にデジタル化し、本編に織り交ぜることにしたんだ。でもそのことで、映画の方向性がシフトし、父が外国人の尺八奏者してやってきたことの難しさや、お金を稼ぐために“サーカスの熊”となる葛藤なども入れることができたから、非常に良かったと思う」と編集の苦労と手応えを明かした。
また、ジョンは、尺八に人生を捧げてしまったことで妻と離婚しているが、デビッド監督は実の母にも、父の足跡についてしっかりとマイクを向けている。「息子である僕が母に対して『なぜ父と離婚に至ったか?』と質問をするのはかなりきついことだった。でも、父親の功績をちゃんと描きたいと思ったし、プロデューサーからも『辛いかもしれないけど、どんどん聞いていけ』と言われたので、かなり掘り下げて聞いていったよ」と苦笑いする。
ジョンは、離れて暮らすデビッド監督との親子関係は良好だと言う。「僕としても、息子のデビッドとしても、この映画を撮っていく作業はとても面白い経験となった。デビッドは、親子というよりは友のような存在だ。今回、息子は映像作家として舵をとってくれたが、そのことで、芸術家として同士のような絆を感じ取ることができた」と感慨深い表情を見せた。
会見前のミニライブでは、ジョンが演奏仲間と共に、ヴィブラフォンやパーカッションを交えてのセッションを披露。ジョンの尺八が奏でる伸びやかな音色にギャラリーは酔いしれた。途中から、ジョンが尺八と竹の打楽器「ウドゥブー」を持ち替えると、デビッド監督も同じ打楽器を手にして参加し、リズミカルで心地良いナンバーを繰り広げた。尺八やウドゥブーなどの“たけのおと”は、どこまでも自由でかつとても豊かだった。まさに驚嘆の “尺八革命”である。ぜひ、その世界観を「海山 たけのおと」で堪能していただきたい。
「海山 たけのおと」は、10月5日から渋谷ユーロスペースで1週間限定公開
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