加藤雅也、諦念心に置いた「影に抱かれて眠れ」でハードボイルド継続に意欲新た
2019年9月7日 15:04
ハードボイルド作家・北方謙三氏の小説「抱影」を、俳優の中野英雄がプロデュースし映画化。かねて北方作品のファンだった加藤は、2016年の映画「棒の哀しみ」に続く2本目の主役に「主役を演じるのは喜ばしいことではあるが、非常に難しい。先生はいつも好きにやってくれと言ってくれるが、今回は諦念を心に置いてやってほしいというアドバイスをいただいた」と振り返った。
その上で、「今の日本映画界では、こういうハードボイルドの作品が製作しにくい状況になっているが、皆で生み出すことができてうれしく思う」と感慨深げ。そして、「皆さんにご支援いただき、いい成績を収めることができれば作り続けられます」と訴えた。
ヒロインの中村は、駆け出しの頃にバイトしていたカフェに中野が客として来ていた時からの縁で、「希薄な関係性の中で、つながりを大事にされていると思った」と感謝。だが、「男の人はロマンティックなんだなと思った。現場での会話が小学生男児のようなんです」と暴露し、登壇した男性陣を苦笑させた。
横浜・野毛で酒場を経営しながら画家としても名をはせる孤高の男が、弟分のトラブルによって裏社会の抗争に巻き込まれていくストーリー。加藤とMATSU、カトウシンスケがキャッチボールをするシーンが象徴的に登場するが、3人とも野球は未経験で、加藤は「(ボールが)後ろにいったらガラスが割れるし、けっこうヒヤヒヤだった。だから、緊張感があるでしょ」と明かし、笑わせた。
カメオ出演している北方氏も特別ゲストとして途中から参加し、「監督にそのままでいいと言われたのでそのままやったら、ものすごいエロじじいになっていた」と不満げ。それでも、「原作は素材のひとつで、ツベコベ言うものじゃないと思っているけれど、今回は今までになかった心のざわめきがあった。映画を見たなという感じだった」と太鼓判を押した。
「同世代で昔から尊敬しているけれど、会うとなぜか緊張しちゃう」という和泉監督も感激の面持ち。そして、「自分でも非常に好きな映画になった。静かに流れる映画だが、何かひとつ熱いものを感じていただければ」とアピールした。
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