米映画館チェーン、アカデミー賞ノミネート記念上映から「ROMA」除外
2019年2月3日 10:00
[映画.com ニュース] 今年のアカデミー賞で最多タイとなる10部門でノミネートを獲得した「ROMA ローマ」(アルフォンソ・キュアロン監督)を、米主要映画館チェーンが冷遇していると米Deadlineが報じている。
アメリカの映画館では、アカデミー賞授賞式前に、作品賞にノミネートされた全作品を再上映するのが慣習となっている。AMCは、2月16日からAMC Best Picture Showcaseと題したアカデミー賞特集を開始する。リーガル・シネマズも2月15日からRegal's Best Picture Film Festivalを開始予定。映画ファンにとってはアカデミー賞ノミネート作品を一気におさらいできる絶好の機会であるものの、今年ノミネートされた10作品のうち、いずれの特集でも「ROMA ローマ」だけ外れている。
ラインナップから「ROMA ローマ」を外した理由について、AMCは「今年、アカデミー会員は、AMCにライセンスされなかった映画をノミネートしました。この作品がAMC Best Picture Showcaseに入っていないのはそのためです」と声明を発表。確か同作は、AMCをはじめとする主要映画館チェーンでは上映されていない。主要映画館チェーンが上映を拒否したためだ。
「ROMA ローマ」は米ストリーミング大手Netflixのオリジナル映画で、同社は米興行界が最も嫌がる劇場公開とストリーミング配信を同日に行うことで知られている。同作に関して、Netflixは12月14日の世界配信3週間前に劇場で先行公開を行ったものの、米興行界で慣習となっている90日間には遠く及ばない。そのため、主要映画館チェーンはいずれも「ROMA ローマ」の上映を拒んだ経緯がある。
興行界にとっては、劇場公開とネット配信開始とのあいだの“シアトリカルウィンドウ”の維持が第一義であることは理解できるものの、「ROMA ローマ」をアカデミー賞特集のラインナップから外したことで、むしろNetflixの加入者を増やしているのではないかという声もある。
アカデミー賞授賞式は2月24日(現地時間)、米ロサンゼルスのコダック・シアターで行われる。
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