音で移民労働者の悲しみを伝える「セメントの記憶」 ベンダース作品の音響デザイナーによる予告編
2019年1月22日 17:00

[映画.com ニュース]シリア政府軍を抜け、レバノンに亡命した映像作家が、ベイルートの超高層ビルの建設現場で働くシリア人移民労働者の受難を映した「セメントの記憶」の予告編が完成した。
ジアード・クルスーム監督が、映画は終わらない戦争による破壊と再建、そして自分たちが住む世界と同じ地平の中に戦争で故郷を失い国外で傷つき労働している人々の現実を伝える。これまで世界60カ国100以上の映画祭に正式招待され、34の賞を受賞している。
高く評価されている音響デザインはベルリンを拠点に、ビム・ベンダースやアレクサンドル・ソクーロフ作品の音響デザインを担うポストプロダクション・スタジオのベーシス・ベルリンが制作。音響デザイナーのアンツガー・フレーリッヒは同スタジオの代表で、本作品のプロデューサーも務めている。現在アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ショートリスト入りしている「OF FATHERS AND SONS」の音響も手掛けている。
フレーリッヒは「本作品は労働者のインタビューや対話が一切なく、映画を伝える上でサウンドデザインが大きな役割を果たしました。彼らの絶望、欲望、希望は全て彼らの中に閉じ込められているのです。浜辺の静かな波打ち際の音はどこか切なく彼らの心境を強調するものと感じましたし、映画の音響は破壊や絶望のマントラとなり、労働者が機械的に繰り返す日常業務を表現するようにデザインしています。映像、音、モノローグのドラマツルギーと建設現場の中と外界の違いや意識の移行を生み出すためのサウンドのダイナミクス作りを意識しました」とコメントを寄せている。
「セメントの記憶」は、2019年3月23日からユーロスペースで公開。
(C)2017 Bidayyat for Audiovisual Arts, BASIS BERLIN Filmproduktion
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