ギレルモ・デル・トロ監督、次回作「ピノキオ」は「『ドラえもん』の影響ある」と明かす
2018年12月10日 14:00

[映画.com ニュース] セレクション・メンバーが変わり、今年装い新たに17回目を迎えたモロッコのマラケシュ映画祭に、ギレルモ・デル・トロ監督が招かれ、取材陣に現在準備中の次回作「ピノキオ」について詳細を明かした。
デル・トロ監督は、自他ともに認める日本のアニメファン。ストップモーションアニメの「ピノキオ」における、日本のアニメの影響について尋ねると、こう語った。
「僕は1964年生まれだけど、メキシコで僕の世代は、小さい頃から日本のアニメをテレビで見て育ったんだよ。円谷プロダクションの作品や『黄金バット』、その他たくさんアニメを見た。『ピノキオ』に関しては、多分に手塚治虫の影響が強い。彼は童話のなかにある暗さをよく理解していて、他の人とはずいぶん異なる作品をたくさん作った。僕の『ピノキオ』も、ムッソリーニ政権のファシストの時代を背景にするから、これまで作られたピノキオのアニメとはだいぶ異なると思う。家族全員が楽しめるというものではないかもしれない(笑)。『ドラえもん』の影響もあるよ。僕はドラえもんの純粋さ、美しさ、パワーが好きだ。見かけはシンプルだけど、とても芯が強くて、それはピノキオにも通じる。僕にとってピノキオの美しさとは、完璧なクリーチャーではないこと。彼は厄介な子どもだ。いわばフランケンシュタインとよく似ている。生みの親と距離があり、孤独で痛みを持っている。そしていろいろと失敗しながら世界について学んでいく。すごく奇妙なクリーチャーだけど、そこが好きなんだ」
さらにストップモーションアニメで描く理由についても言及。「僕は学生の頃、ストップモーションアニメから作り始めたから、すごく愛着がある。日本には文楽があって、文楽は化身にすべてを委ねるのが逆に、とても表現豊かなものになっているだろう。ストップモーションアニメも同じで、そのパントマイムのなかに豊かな表現と美しさが見出だせると思う」
デル・トロはさらに、マラケシュで一般向けのティーチインも開催した。もう1本の新作「Nightmare Alley」で共同脚本を務めるキム・モーガンのモデレーションにより、子ども時代に幽霊を恐れると同時に惹かれるようになったこと、当時は痩せていて学校でいじめられていたので、大きくなりたくてたくさん食べるようになり、それが原因で今に至ったことなど、映画術以外のエピソードもユーモラスに語り、観客の人気をさらった。
デル・トロが「納得のいくまでたっぷり時間をかけたい」という「ピノキオ」は、2021年に完成の予定だという。(佐藤久理子)
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