蘇った! 特撮ドラマ「マイティジャック」組曲 「冨田勲 映像音楽の世界」
2018年9月18日 12:00

[映画.com ニュース] 「月の光」「展覧会の絵」「惑星」などのシンセサウンドで国際的な評価を集めたシンセサイザーの第一人者で、日本を代表する作曲家の故冨田勲氏のテレビ、映画の音楽をオーケストラで演奏する「冨田勲 映像音楽の世界 SOUNDS OF TOMITA」(指揮・藤岡幸夫)が9月17日、東京都千代田区丸の内の東京国際フォーラム・ホール Cで開催された。
2016年5月に慢性心不全のため、84歳で亡くなった冨田氏。74年にシンセサイザーによる「月の光」は米ビルボード誌の第1位を獲得、日本人として初めてグラミー賞にノミネートされ、一躍世界にその名が知られた。今回のコンサートは、「月の光」以前の1960年代~70年代半ばのサウンドトラックの名作群を中心に集めたもの。映画監督で映画評論家の樋口尚文氏が監修し、脚本、文芸評論でも活躍する女優の中江有里と司会を務めた。
第1部は手塚治虫原作のアニメ「ジャングル大帝のテーマ」(65)で幕開け。「リボンの騎士」「リボンのマーチ」ではオリジナル歌手、前川陽子がオーケストラと共演。NHKの映像音楽のコーナーでは、誰もが口ずさめるマリンバによる軽快な曲「きょうの料理」(57)から「新日本紀行テーマ」(63)、大河ドラマ「花の生涯」(63)、「徳川家康」(83)、「勝海舟」(74)といったダイナミックな曲を演奏。創作ダンス用の作品として発表されたシンセサイザー曲「愛」(74)では、大妻嵐山高校ダンス部(埼玉)のメンバーが辻本知彦氏の振付によるダンスで躍動した。

圧巻は、今回が初お披露目となる特撮映画とドラマの組曲が並んだ第2部だ。五島勉氏の大ベストセラーを映画化した特撮映画「ノストラダムスの大予言」(74)、人気特撮ドラマ「キャプテンウルトラ」(67)が続き、最後に放送50年を迎え、なおファンの熱い支持を集める円谷プロの特撮ドラマ「マイティジャック」(68)を特別編集映像付きで演奏した。
関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者で、冨田氏の愛弟子の藤岡氏は「『マイティジャック』は『007』と『サンダーバード』を合わせたような作品で、冨山先生にお会いする前から、大好きな作品。DVDBOXも持っていました。ぜひ、(コンサートで)やらせてくださいと言ったら、譜面がないと言われたんです。当時はそんな感じだったみたいです。先生のシンセサイザーの曲も好きですが、オーケストラも素晴らしい」と話し、気持ちを込めたタクトをふるった。アンコールでは「マイティジャック」の主題歌を観客とともに合唱。最後は写真撮影もサービスも行い、往年のファンを喜ばせた。
樋口氏は「自分自身、客席で聴きたい曲ばかりなので、ファンの方々には全身で堪能していただけたと思います。伝説のコンサートになりました」。中江も「出演作『学校』は冨田先生の作品でした。お会いする機会はなかったのですが、先日、『学校』のテーマ曲が流れて、懐かしいと思っていたら、このお仕事をいただきました。たぶん、冨田先生に呼ばれたんだと思います。『リボンの騎士』を始め、NHKの楽曲の数々など素晴らしい作品があることに今さらながら気付かされました」と話していた。
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