荒木飛呂彦、30周年「ジョジョ」大型原画展開催に寄せ「漫画界に感謝したい」
2018年6月21日 18:00
[映画.com ニュース] 漫画家・荒木飛呂彦氏の原画展「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」の会見が6月21日、東京・六本木の国立新美術館で行われた。荒木氏は、大勢の報道陣を前に緊張の面持ちで出席。「『ジョジョ』の連載が始まってから30周年。(本展は)集大成です。国立美術館で開催できること、誠に光栄に思います。国の文化として、何かお役に立てるならものすごく嬉しい」と挨拶し、「漫画界に感謝したいと思います。手塚先生をはじめ先輩方の助言や作品がなければ、『ジョジョ』は影も形もなかった。また、私より年齢が下の漫画家さんたちが盛り上げてくれているので、今回の開催があると思います」と深い感謝を示した。
シリーズの世界累計発行部数1億部を誇る「ジョジョの奇妙な冒険」を題材にした大型展覧会で、国立美術館で存命の漫画家の個展が開催されるのは初。荒木氏は、本展には若い人々への思いを込めたそうで、「中学生以下の皆様は入場が無料ということで、ぜひ見ていただきたい。印刷とは違ったものが、原画には必ずあります。若い人たちの勉強や将来の仕事に、(原画から伝わる)絵の発想や考え方が役に立ってほしい。それが僕の密かな野望でした。まあ、しゃべっちゃいましたけど」と冗談めかしながら告白した。
東京だけでなく大阪での開催も決定しており、壇上では描き下ろしのキービジュアルがアンベール。承太郎とスタープラチナが富士山をバックに決める「東京展バージョン」と、ディオとザ・ワールドが月に浮かぶ「大阪展バージョン」が披露され、荒木氏は「富士山の三角と、月の円。絵画的構図にも注目してもらいたい。かなり思いを込めた作品です」「対照的な善悪ではありますが、神格化されている大好きなキャラ。ディオは敗北していますので、考えにふけっている。考える人のように。石仮面の上に肘、という構図にこだわりました。承太郎は決めポーズです。クリント・イーストウッドがマグナムを構える様子からきているんですけど」と意匠を説明した。
「史上空前の“JOJO”の祭典」と銘打たれた本展の目玉は、完全新作の描き下ろし原画12枚(それぞれ2メートル×1.2メートルの大型パネル)。「実物大のキャラクターを描く」が目的だそうで、「170センチのキャラなら170センチ。12人のキャラと12体のスタンドが(来場者と)同じ場所に存在しているように、と描きました」と期待を煽った。
さらに音声ガイダンスは荒木氏と声優・恒松あゆみが務め、作者本人による作品解説も展開。ほかにも30年の歩みを振り返る「ジョジョクロニクル」、スタンド能力にフォーカスした「スタンド使いはひかれ合う」、第7部までの“最高潮のバトルシーン”を一挙披露する「ハイ・ヴォルテージ」、印象的な擬音やポージングにまつわる創作の秘密に迫った「ジョジョリロン」など、ファン垂涎の展示が目白押しだ。
またこの日は、シリーズ第5部「ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化も発表。荒木氏は「秋からスタートしますので、そのへんもよろしくお願いします」とサラリと告知し、場内を沸かせていた。
「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」は、8月24日~10月1日に東京・国立新美術館で開催。チケットは完全日時指定制で、6月23日から先行予約券が販売される。大阪では11月25日~2019年1月14日に大阪文化館・天保山で開催される。
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