「娼年」原作者・石田衣良「カップルで見た後、ラブホに行って!」とアピール
2018年4月3日 12:00
無気力な毎日を送っていた大学生・森中領(松坂)が、会員制ボーイズクラブのオーナー、御堂静香(真飛聖)に見いだされ、“娼夫リョウ”として女性たちの欲望と向き合っていくさまを描く。
石田氏は、原作小説を世に放った17年前を振り返り「小説でも、セックスシーンは一切腰を引いていない。とにかく書くのが楽しかったなあ。子どものころからの妄想が、初めて役に立ちました」とジョーク交じりに語りつつ、「今の日本は、あまりにも貧しすぎませんか。20年前の日本には、“セックスレス”なんて言葉はなかった。性が貧しくなって、みんながとげとげしい顔で電車に乗る時代になってしまった。こんな時代に、しっとりする恋愛映画を見てほしい」と熱を込める。「三浦さんは、女性に対してファンタジーを持っていない。そこがすごく良かった」と三浦監督の手腕を称賛し、絵コンテやビデオコンテを事前に用意し、綿密に計算されたなかで撮影されたセックスシーンを、「ボリショイ・バレエみたいに細かい振り付けを入れている」と評した。
話は主演の松坂にも及び、「ジャニーズ系の子だと、濁りがあるじゃないですか。松坂くんのように、元々無色透明な人じゃないと、どんどん汚れていってしまうんですよね」(石田氏)、「舞台版を行う前は、松坂くんにそういう(R18作品の)イメージがなかった分、若干の不安はあったんです。でも舞台を経て、今では彼しか考えられない。撮影では、女性陣が松坂くんについていけば感情がのるようになっていた。すごかったですよ」(三浦監督)と、共に松坂の表現力・存在感を褒めちぎった。
原作小説には、続編となる「逝年」があり、三浦監督が「(映画版も)もしかしたら続編があるかもしれない」と発言すると、客席からは悲鳴が上がった。観客の反応に笑顔を浮かべた三浦監督は、「この映画は、幅広い方に見ていただかないと意味がない。普段映画館に行かない方も来てくれたら、日本映画が面白いことになる」と力強く語った。
対する石田氏は、「カップルで映画館に来て、見た後に飲みながら、『本当はこんなことしたかった』と本作をネタに話し合って、その後にラブホに行ってほしい」と“理想の見方”を指南し、場内を笑いに包んでいた。
「娼年」は、4月6日から全国公開。R18+(18歳未満入場不可)指定。
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