韓国の鬼才キム・ギドク、今度は女優がレイプ被害を告発
2018年3月8日 00:00

[映画.com ニュース] 昨夏に女優への暴行罪で起訴された韓国の鬼才キム・ギドク監督に、今度はレイプ容疑が持ち上がった。米ハリウッド・レポーターが報じている。
セクハラ撲滅を訴える#MeToo運動が勢いを増すにつれ、韓国でも被害者が続々と声を上げ始めているなか、3月6日放送の報道番組「PD Notebook」に3人の女優(いずれも氏名非公開)が出演。ギドク監督から受けた性的被害について赤裸々に語った。
1人目は、精神的ダメージからパニック障害を患い、引退に追い込まれた元女優のAさん。出演する予定だった映画の準備中、ギドク監督から繰り返しセクハラを受けたそうで、さらに撮影中、キャストとスタッフが寝泊まりしていた宿泊所でレイプされたという。また、性的に不適切な行いがあったことを認め謝罪後、主演ドラマから降板させられるなど、自らもセクハラ騒動の渦中にいるギドク監督作の常連俳優、チョ・ジェヒョンにもレイプされたと告白。「先輩女優に助言を求めたところ、『この業界では当たり前のことよ』と軽くあしらわれてしまった。キム・ギドクとチョ・ジェヒョンが成功を欲しいままにする一方で、被害者のほうが夢を諦めなければならないなんて、どうしても納得がいかない」と怒りをあらわにした。
2人目は「メビウス」(2013)の撮影中に演技指導として頬を叩かれ、当初脚本になかったベッドシーンを強要されたとして、ギドク監督を刑事告訴した前述の女優Bさん。ソウル中央地検はギドク監督を罰金500万ウォン(約52万円)で略式起訴したが、身体的暴力に対する処罰のみで、性的暴行に関して罪に問われなかったことを不服とし、主演を務めるはずだった同映画のクランクイン2日前にギドク監督から迫られ、断った途端に解雇されたと告白。さらに、告訴に踏み切るまで4年かかったのは、韓国を代表する大物監督を敵にまわすことで、映画界から干されるのを恐れたキャストとスタッフが、証言を拒んだためだったと明かした。
そして3人目は、ギドク監督の映画に出演が決まっていたものの、準備段階のミーティングの際、「性器はどんな色か?」といった不適切な質問や発言が相次いだことから危険を感じ、トイレに行くふりをしてそのまま逃げ出したという女優Cさん。「エージェントには、大きなチャンスを逃したと叱られたけれど、いまだにあのミーティングでの体験がトラウマになっている」という彼女は、「才能の代わりに性的な要求を受け入れることで、キャリアを前進させようとする女優がたくさんいるのも事実」と、映画界の腐敗した実情を訴えた。
一方のギドク監督は、同番組の制作者に宛てた長文SNSメッセージで「映画を使って個人的な欲望を満たそうとしたことなど一度たりともないし、既婚者でありながら、妻以外の女性と関係を持ったことは恥じているが、相手の同意なしに性的関係を強要したことは断じてない」と無実を主張している。しかし、今回の告発によって新たな刑事事件に発展する可能性も含めて、さらなる波紋が広がることは避けられそうにない。
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