「15時17分、パリ行き」座談会映像公開!イーストウッド監督が込めたメッセージとは?
2018年3月3日 10:00
[映画.com ニュース]2015年に起こったタリス銃乱射事件を題材にしたクリント・イーストウッド監督の最新作「15時17分、パリ行き」(公開中)の座談会映像が、公開された。イーストウッド監督と、“本人役”を演じた当事者3人が作品の舞台裏を語っている。
554人の乗客が乗るアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内で、武装したイスラム過激派の男が自動小銃を発砲。たまたま乗り合わせていたアンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスの幼なじみ3人が、テロリストに立ち向かっていく。
「意識して英雄を取り上げてはいないが、私は人々に立ち向かう強さがあると気づかせたい」と信条を語ったイーストウッド監督は、「このストーリーがいい例だ。犯人は重武装していたので、大惨事の可能性があった。だがスペンサーは向かっていった。何を考えていたかを聞かれるたび、彼は“何も”と答える」と若者たちを称賛。英雄譚(たん)にひかれる理由をスカラトスに問われると、「対立があるからね。それがストーリーを動かすんだ」と明かす。
本作は、実際に事件に遭遇した人々を起用し、事件と同じ場所・同じ状況で撮影を行っている。イーストウッド監督は「映画は理性よりも感情表現の芸術だ。同じ環境での撮影が、彼らの名演を引き出した」と解説し、スカラトスも「確かに、当時と同じ心境になれました」と述懐。サドラーは「監督は撮影中に、事実と違わないかを確認してくれた」、ストーンは「どんどん意見を出すよう励まされたのが大きかったです。“ありのままに”と言われたし、全面的なサポートを受けられました。リスクを冒した監督をがっかりさせたくなかった」と監督への感謝と敬意を語っている。