水道橋博士「15時17分」で“本人起用”に挑戦したイーストウッド監督は「神の領域」
2018年2月19日 14:30

[映画.com ニュース] クリント・イーストウッド監督が2015年に起こった無差別テロを現場に居合わせた当事者3人を主演に迎えて映画化した「15時17分、パリ行き」の公開記念トークイベントが2月17日、都内で行われた。タレントでイーストウッド作品の熱心なファンである水道橋博士が出席し、「たけしさんが歯ぎしりしますね」と“師匠”北野武監督を引き合いに、本作を絶賛した。
2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車の中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。その列車には、米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカラトス、そして2人の幼なじみである青年アンソニー・サドラーが乗り合わせていた。映画では、テロリストと直面した青年たちの半生が描かれ、本人たちが自分自身を演じている。
“本人起用”という大胆な手法に、水道橋は「ハリウッドでも最長老といえるイーストウッド監督が、最先端のことに挑戦していて、それだけで震える。驚きましたね」と興奮しきり。「ごくごく最近の事件ですし、あの列車に日本人が乗り合わせない理由もない。イーストウッド監督は、観客に『自分が当事者だったかもしれない』と訴えかけ、それがずっと人生を揺さぶるはず。だからこそ、見る価値がある」と熱弁した。
そして、「ずっといいですよね。『許されざる者(1992)』以降、駄作は1本もないし、常に最新作が最高傑作。もはや神の領域」とイーストウッド作品の魅力を語り、ワンテイクで撮りあげる手法をはじめ、「命を奪うこととは何か。死そのものと戯れている。実体験を通してシーンを作る点も、北野武監督の作品に共通している。同一人物説を唱えたいほど」と指摘した。
「15時17分、パリ行き」は、3月1日から全国公開。
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