モーリス・ベジャール没後10年 「第九」の舞台裏を捉えたドキュメンタリー本編映像
2017年12月17日 06:00

[映画.com ニュース] 2007年に逝去したフランスの天才バレエ振付家モーリス・ベジャールの代表作「第九交響曲」の舞台裏をとらえたドキュメンタリー「ダンシング・ベートーヴェン」のステージ本編映像と、来日したアランチャ・アギーレ監督からのコメントが公開された。
映画は、ベジャール・バレエ団と東京バレエ団、世界的指揮者ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団が共演した東京公演に密着。リハーサル風景をはじめ、ベジャールの後継者ジル・ロマン芸術監督のもとでベジャール・バレエ団が新たな一歩を踏み出す様子、さまざまな文化的背景を持つダンサーたちがステージに挑む姿を映し出す。
このほど公開されたのは、本作のクライマックスともいえる「第九交響曲」の本番ステージの一部。ベジャールが「第九」全4楽章を古代ギリシャで世界を形作るものと考えられた“四大元素”と結び付け、第1~4楽章のそれぞれをイメージした色の衣装を纏うシーンの第4楽章。魂の震えるような音楽とダンスが一体になっていくステージの迫力が伝わる映像だ。

10代の頃、スペインで初めてベジャールバレエに出会い、バレエ学校を経て、映画監督という道を選んだアギーレ監督。本作では「全てのショットが完璧で、美しいものであるように」心がけたそう。また、ダンサーを見つめるナレーターの存在は、自身の経験から着想を得た。また、ベジャールの「第九」における“人類よ、一つになれ”という言葉に触れ、「今だからこそ、ベートーヴェンのメッセージが必要だと思います。それは理想主義を人類が取り戻すこと。困難にみちている時代だからこそ、過去をかえりみて、自分たちを助けてくれる要素を復興させることが必要だと思っています」と語る。
そして、「第九」は人類にとっての傑作だと持論を述べ、アイザック・ニュートンの「私は遠くまでみることができる、なぜなら巨人の肩にのっているから」という言葉を引用しながら、「巨人というのは、人類のありとあらゆる傑作のこと。一人で立っていたら遠くまでは見えないが、これまで存在したクリエイター、遺産、芸術、傑作といった巨人の肩にのる。そうすると、自分の力だけでは見えないものが見えるようになる。芸術作品のことをそう語っていて、私もその通りだと思う。傑作を見ることは、自分自身にとってとても有益なことです」と観客へ向けてメッセージを送った。
「ダンシング・ベートーヴェン」は、12月23日から全国公開。
(C)Fondation Maurice Bejart, 2015 (C)Fondation Bejart Ballet Lausanne, 2015
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