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「ユダヤ人を救った動物園」の舞台、ポーランドの“真実”とは?専門家が解説

2017年12月6日 18:00

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(左から)室田元美氏、石岡史子氏
(左から)室田元美氏、石岡史子氏

[映画.com ニュース]2年連続でアカデミー賞候補になった実力派女優のジェシカ・チャステインが主演する「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」の公開記念トークイベントが12月5日に都内で行われ、NPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子氏、ルポライターの室田元美氏が、それぞれの専門的な視点から本作の見どころを語った。

第2次世界大戦中のポーランド・ワルシャワで、動物園を営むヤン(ヨハン・ヘルデンベルグ)とアントニーナ(チャステイン)の夫婦が、当時迫害を受けていたユダヤ人を動物園の檻にかくまい、300人もの命を救った実話を映画化。ディズニーの実写版「ムーラン」が控えるニキ・カーロ監督がメガホンをとった。

ホロコーストの歴史教育を通して、差別や偏見のない社会を目指す活動を続ける石岡氏は「ユダヤ人をかくまうことで、家族を危険にさらしてしまうのが1番つらいこと。映画が私たちに投げかけることがたくさんありますし、例えば難民をどう受け入れるかといった、現代的な問題提起もしている」と感銘を受けた様子。一方、国内外の戦跡取材を続ける室田氏も「女性の視点から、身をていしてユダヤ人を守ったポーランドの人たちが描かれている」と語った。

今年9月には、石岡氏と室田氏がそろってポーランドを訪れ、舞台となったワルシャワ動物園をはじめ、旧市街や記念広場、博物館などを取材。「過去の映画などでは、ポーランド人は傍観者的に描かれることも多かったが、実際にはユダヤ人を救った非ユダヤ人の割合は、ヨーロッパで断然多かった」(石岡氏)、「ナチスドイツによって、自分たちの国土に、アウシュビッツなどの収容所が作られた複雑な歴史をもつ国。さまざまな施設を訪れ、ポーランドの人たちの苦しみを改めて実感しました」(室田氏)と話していた。

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」は、12月15日から全国公開。

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