「熱海国際映画祭」は良質なストーリーを重視した作品を国内外から募る
2017年12月4日 13:00
[映画.com ニュース] 2018年6月28日~7月1日に静岡・熱海で開催される「熱海国際映画祭」の記者発表会が12月4日、東京・千代田区の日本記者クラブで行われ、熱海市長の齊藤栄氏のほか、実行委員会の久保野純也氏(イオンシネマ)、髪林孝司氏(フォーカス)、熱海在住のデザイナー・原香苗氏、山田久貴氏(熱海市役所)が出席した。
同映画祭は、韓国の釜山国際映画祭、仏パリのECUヨーロッパ映画祭と連携。“熱海の街全体をシネコンに”をキーワードにして、選りすぐりの新作映画を上映する。「(熱海は)海、山、温泉に恵まれ、風光明媚な景色、コンパクトな街中にたくさんの楽しみがあり、四季を通じて心と体を癒すことができる場所」と語った齊藤氏。作家・尾崎紅葉の「金色夜叉」に同所の光景が描写された背景もあることから「『熱海国際映画祭』では、小説や脚本といった点に重きをおいたものになればと考えています」と思いの丈を述べていた。
インターナショナルコンペ部門では、グランプリに賞金100万円を授与するほか、日本での劇場公開を約束する。グランプリ作品の上映規模は調整中のようだが、久保野氏は「首都圏のほか、名古屋、大阪の劇場などで、1~2週間程度の公開を考えています」と説明。そして髪林氏は「独立系の作品を映画祭に応募する方々は『劇場で映画を上映したい』という夢を持っているはず。この映画祭に出品したら、劇場で上映されるかもしれないという状況をつくりたいと感じていた」と同映画祭に込めた願いを明かしていた。
コンペ部門の審査体制については、独立した委員会が担当。審査委員長は日本国内の著名な映画監督にオファーし、副委員長に「ECUヨーロッパ映画祭」の代表を務めるスコット・ヒラー氏を起用して、脚本家、熱海市民代表らによる国境を超えた体制となる。応募資格は日本初公開となる作品。応募本数の見込みは現在約3000本を想定し、スクリーニングを経て、上映対象となる20本を絞り込む。
4日間という開催期間での審査本数としては異例の多さで、審査員が会期中に対象となる全作品を鑑賞し、十分に議論をする余地があるか考慮すると、現実的ではない。それでも、「他の映画祭と異なり、多くの上映会場を設ける予定です。多数の上映会場で皆さんに見てもらえるようなスケジュールを計画しています。非常に短い期間ではありますが、上映は全て行います」(髪林氏)と答えていた。
脚本賞は、尾崎紅葉の名前にちなみ「紅葉賞」と銘打たれ、特別部門として学生映画賞、最優秀短編映画賞、バーチャルリアリティ&ニューメディア賞、熱海ロケーション映像賞なども創設される。そのほか、海外からの招待作品を3~5本程度披露する。
「熱海国際映画祭」は18年6月28日~7月1日、MOA美術館、熱海芸妓見番歌舞練場、ホテルニューアカオなどを会場として開催。コンペ部門の第1回応募は、18年1月18日~31日、第2回は3月1日から開始予定。応募方法などの詳細は、公式HP(http://atamifilmfestival.jp/)で発表される。
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