弁護士の男性カップルを追ったドキュメンタリー、主演2人が“家族”を語る
2017年10月28日 22:35

[映画.com ニュース] 大阪で暮らす弁護士の男性カップルの生活を追った日英合作ドキュメンタリー映画「Of Love & Law」が10月28日、第30回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で世界初上映され、主演の南和行氏、吉田昌史氏をはじめ、メガホンをとった戸田ひかる監督らがティーチインを行った。
出会って15年のカズとフミは、大阪の下町で一緒に法律事務所を営む弁護士“夫夫”。仕事も生活も常に二人三脚のふたりは、法律上は他人同士だが、いつかは人の親になりたいという夢に向かって試行錯誤を続けていた。そんなふたりのもとには、日本全国から生き辛さを抱えた人々がやってくる。そんなある日、2人は居場所を失った少年をしばらく預かることになる。
10歳からオランダで育ち、ロンドンを拠点に世界各地で映像を制作してきた戸田監督は、「カップルとしての2人にすごく惹かれました。オープンなゲイのカップルとして、日本の生きにくい社会でどのように生きているんだろうか、弁護士としての活動を通して日本のいろんな側面が見えるのではないだろうかというところに興味を持ちました」と製作のきっかけを述懐。「南さんと吉田さんのラブストーリーと、弁護士としての活動、ろくでなし子裁判、『君が代』不起立裁判、無国籍者という内容が盛りだくさんなので、そのバランスをとるのが難しかった」と思い入れを語った。
好きな場面として、南氏は「いつもの家の中の会話が切り取られている感じがしたので、家に帰った気分になれました」と、預かった少年とのやりとりのひとつをピックアップ。一方の吉田氏が、「南くんが帰る場所がないと言っていた場面は、(家族として暮らす)いまの状況と比べて、思うところがありました」と笑顔を見せた。
タイトルの“愛と法”はもちろん、家族や親子がテーマになっているという観客の指摘に、戸田監督は何度もうなずいて同意。「もし、亡くなったそれぞれの父親が映画を見たらどう思うか?」という質問に、南氏は「君は目立つのが好きだから、目立ててよかったねと言うと思う」と回答。南氏の母親のヤヱ氏も、「夫婦の間では男尊女卑なところがあったと私は思うのですが(笑)、社会的には正義感の強い人だったので、この映画を見たら喜ぶと思います」と出来栄えに満足げ。吉田氏が、中学1年のとき早くに母親を亡くした寂しさを父が気にしていただろうと言い、「いまはこうして家族に囲まれてくらしているということに安心してくれていると思います」と締めくくった。
ティーチインには、プロデューサーのエルハム・シャケリファー、アソシエイトプロデューサーで編集を兼ねた秦岳志、撮影監督のジェイソン・ブルックスも出席。2018年の劇場公開を目指し調整中であることも発表された。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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