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ダグ・リーマン「バリー・シール」の監督を引き受けた意外な理由とは?

2017年10月19日 18:00

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トム・クルーズとは2度目のタッグ
トム・クルーズとは2度目のタッグ
(c) Universal Pictures

[映画.com ニュース] 麻薬密輸で莫大な財産を手にした実在のCIAエージェントを描いたクライムアクション「バリー・シール アメリカをはめた男」を手がけたダグ・リーマン監督が、作品にかけた思いを語った。

オール・ユー・ニード・イズ・キル」のリーマン監督とトム・クルーズの再タッグ作。天才的な操縦技術を持つ民間航空会社のパイロット、バリー・シール(クルーズ)のもとに、CIAのエージェント(ドーナル・グリーソン)がスカウトに現れる。極秘作戦の偵察機パイロットに転身したバリーは、作戦の過程で麻薬王パブロ・エスコバルらと接触。“運び屋”としても才覚を発揮し始め、ホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な密輸ビジネスで巨万の富を築いていく。

リーマン監督は、クルーズ共々この作品に興味を持った理由を「トム(・クルーズ)も僕もパイロットの経験があるんだ。二人とも、CIAにスカウトされたパイロットだというバリー・シールのキャラクターに強くひかれた。バリーの破天荒な性格以上に、パイロットとしての腕にね。飛行機を使ったアクションシーンやチェイスシーンができる絶好の機会を喜んだよ。他の映画では車を使うところでも、この作品では飛行機が使えるからね」と飛行機乗りならではの目線で語る。

話は自身の映画監督としての信条についてまで広がり、「トムと僕が映画を作る理由は、観客を楽しませるためだ。知的な楽しみを与えたい。ただ単に映画を見るだけでなく、考えるきっかけを与えたいんだ。だが、何よりもまず、僕自身が映画館で観客に混じって笑ったり、スリルを感じたり、アクションシーンに拍手をしたりしながら映画を楽しみたい。誰もが映画に感情移入し、僕と同じようにバリー・シールという人物や、バリーと(妻)ルーシーの関係にひかれてほしいんだ」と力を込める。

リーマン監督の熱弁は止まず、「驚がくの物語をみんなにも知ってほしいから、今までにないスリリングな飛行機アクションを見てほしいから、それに、バリー・シールという素敵な人物や彼のラブストーリーのことを映画を通して知ってほしい、ドーナル・グリーソン演じるCIAエージェントの本性を知ってほしい、これまで映画で描かれたことがなかったCIAの裏側を垣間見てほしい、こうした要素すべてが僕らを映画作りにかき立たせてくれている」と続ける。「この映画の魅力も、まったく同じ要素だ。映画を見終わったとき、色々考えさせてくれる“何か”が残るような作品ができたことをとても誇りに思うよ。映画館の帰り道に喫茶店に寄って、コーヒーを飲みながら友人と映画について語ったり、ネットで詳細を調べてみたり、そうした好奇心を呼び起こしてくれる作品だと思う。きっと長らく印象に残る作品だ」と力強く言い切った。

リーマン監督にとって思い出深かったことの1つが、バリーの妻の存在。「僕たちにとって起点となったのは、バリーの2番目の妻デビーが僕たちに見せてくれた1枚の写真だった。デビーがグアテマラの刑務所でバリーに面会したときの写真さ。バリーの誕生日を祝うために、デビーはグアテマラまで飛んだんだ。その写真には、グアテマラの刑務所の中で、巨大なナタでバースデーケーキを切っている2人が写っていた。僕たちはその写真に度肝を抜かれて、ぜひこのキャラクターを、そしてこのラブストーリーをスクリーンでよみがえらせたいと思った。映画の中でのバリーとルーシーのラブストーリーは非常に突飛なものとして映るかもしれないが、実際の出来事や関係性に基づいて描かれているんだ」と驚きのエピソードを明かした。

バリー・シール アメリカをはめた男」は、10月21日から全国公開。

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