オダギリジョー「エルネスト」は「日本映画界の“革命”」

2017年9月13日 23:20

舞台挨拶に立ったオダギリジョー
舞台挨拶に立ったオダギリジョー

[映画.com ニュース] 日本・キューバ合作映画「エルネスト」の世界最速試写会が9月13日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、主演のオダギリジョーとメガホンをとった阪本順治監督が舞台挨拶に出席した。

キューバ革命の英雄として知られるチェ・ゲバラのゲリラ部隊に参加し、ゲバラから「エルネスト」と名付けられた日系人フレディ・前村の知られざる生涯を描く。キューバロケを経て前村役を熱演したオダギリは、「監督からこの話を聞いたときから、やりたい気持ちがいきなりマックスだった」と振り返り、参加の決め手を「20年も芝居をやっていると、甘えや慣れがつきまとってしまう。それを全て排除して真剣に取り込まないと、乗り越えられないぐらい高いハードルが見えていたので、初心に戻してもらう意味でも必ず乗り越えようと思った」と告白。さらに「今の日本映画界で、こういう映画を作ること自体が僕にとっては“革命”」といい、「とにかく戦い抜こうという気持ちが強かった」と全身全霊をかけたことを明かした。

また阪本監督は、前村の学友や親族に徹底取材を行い「なぜ人を助けようとしていた前村が、銃を手に取ったのか」に迫った。「フレディは寡黙で、許せるものと許せないものがはっきりあった人。しかし思想に閉じられていたわけではなく、反対意見の人とも交流を持っていた。フレディ本人の気質を聞くと、オダギリくんがすぐさま想像できた」と配役を振り返り、「オダギリくんとは、普段から飲みに行く仲。(オダギリが)一周回り、もう一度自分の立ち位置を考え、向こう側に行きたい、生まれ変わりたいと言っていた時期だったので、『ピッタリの企画がある』と話した」と語っていた。

そして阪本監督は、全編スペイン語での演技に挑んだオダギリに「彼が日本にいるときから相当な準備をして、それを苦労とも思わずにやってくれていると知っていました。ゲリラのシーンからクランクインし、初めてスペイン語のセリフを聞いて『僕らにとってのフレディだ』と確信した」と舌を巻く。自身もスペイン語の習得を試みたそうだが、「途中で頓挫して。(撮影中)オダギリくんが何をしゃべっているのか、まったくわからなかった」と苦笑しきりだった。

さらにゲリラ部隊をイメージした扮装などに身を包んだ熱烈なファン約100人が結集したこの日は、最速試写会を記念した鏡割りが実施。樽を割った後は、独立戦争の勝利を祝うカクテルとして広まったキューバ・リブレが配られ、2人は「サルー(スペイン語で乾杯の意)」という掛け声とともにグラスを高く掲げていた。「エルネスト」は、10月6日から全国で公開。

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