「ヨコハマメリー」監督の11年ぶり新作「禅と骨」は「世界初のノーバジェット映画」
2017年7月24日 14:00

[映画.com ニュース] 「ヨコハマメリー」の中村高寛監督の11年ぶりとなる長編ドキュメンタリー「禅と骨」の完成披露プレミア上映会が7月23日、神奈川・横浜市開港記念会館であり、中村監督とプロデューサーの林海象氏、仏文学者の鹿島茂氏が作品を語った。
映画配給会社勤務の米国人の父と、芸者の日本人の母との間に生まれ、横浜で青年期を送り、その後渡米したものの太平洋戦争が勃発し、日系人収容所で暮らすことを余儀なくされたヘンリ・ミトワ氏。終戦後に帰国し、京都の禅寺の僧侶になり、日本文化を愛し、母の面影を追いながら波乱万丈の人生を送ったミトワ氏の実像に迫る意欲作。ミトワ氏と家族ら関係者のインタビュー映像のほか、過去の出来事をドラマやアニメーションで表現した。
完成までに8年という長い月日を要した。中村監督はミトワ氏と面会を重ねるうちに「ミトワさんの愛にほだされた」と完成を熱望。「長く遊べるおもちゃを見つけたように、まだまだ掘リ下げることができる、と思える対象者だった」と、多面的な魅力を持ったミトワ氏の人柄にひかれたと語る。

ミトワ氏自身も映画企画を持っていたが、資金面での実現が難しく、本ドキュメンタリー製作においても同様だった。林氏は、ミトワ氏に惚れ込んだ監督、関係者が自主的に資金を出し合う方法を提案し「ローバジェットではなく、ノーバジェットでやろうという話になった。世界初のノーバジェット映画」と紹介した。
鹿島氏は「傑作。わかりやすいドキュメンタリーにあるような、一般的な理解に落とし込まないいい映画。娯楽作品として薦めたい」と絶賛。ミトワ氏、中村監督、林氏と同様に横浜出身であり、在住者ならではの感覚を登壇者と共有しながら、横浜という土地の特色を解説。また、ミトワ氏の父親がドイツ系米国人であることから、「ヘンリー・ミラーを連想した」といい、精力的に創作活動に力を注いだ作家の人生と重ね合わせた。
9月2日からポレポレ東中野、キネカ大森、横浜ニューテアトル他全国で順次公開。
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