ショートショートフィルムフェスティバル開幕! 新設アワードはドイツ映画に栄冠
2017年6月1日 22:15
[映画.com ニュース] 米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2017」が6月1日に開幕し、東京・渋谷のヒカリエホールでオープニングセレモニーが行われた。主宰者の別所哲也、フェスティバルアンバサダーのLiLiCoをはじめ、豪華ゲストが華々しく登場した。
今年で19回目となる「SSFF&ASIA」は、世界140の国と地域から約9000本の作品エントリーがあり、厳選された約250作品を上映する。セレモニーには、同映画祭と「EXILE TRIBE」がタッグを組んだプロジェクト「シネマファイターズ」に参加したAKIRA(EXILE)や山田孝之らに加え、環境問題をテーマにした「地球を救え!」部門の審査員である田原総一朗氏、荻上直子監督、安田菜津紀氏が登壇。同部門の「環境大臣賞」にはムルー・ゴドラ監督作「水を、ください」、「J-WAVEアワード」にジェイラン・ジャルハノール&ニコール・ジョーダン・ウェーバーの共同監督作「森を守るものたち」が選出され、会場からは喝さいが沸き起こった。
新設された「Shibuya DiverSity Award」では、シャーロット・アー・ロルフェス監督のドイツ映画「サミラ」が受賞。セレモニーに参加した出演者のデヤン・ブキンは「大変光栄です。今の社会では多様性、寛容性が重要なキーワード。この短編が何かしら影響を与えられたらと思います」と語っていた。二次創作の短編小説をショートフィルム化する「ブックショートアワード」では、第2回アワード作品「ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金が欲しいか」に主演する鳥居みゆきがレッドカーペットを自転車で駆け抜けて笑いを誘い、劇中で演じている雪女役について「いつもはゾンビとか化け物なので、今回は普通の役で嬉しい」と独特の感想を述べていた。
最優秀企画者に最大1億円の制作費が与えられる「avex digital Award」は、映像作家・後藤美波が獲得。プレゼンターを務めた福島リラから祝福された後藤は「このような栄誉ある賞をいただき、大変嬉しく思います。(今回の企画は)静岡県浜松市にある祖父母の家を舞台にした物語。コロンビアフィルムスクールのクラスメイトと一緒に書き上げました」と明かし、自身を支えてくれた人々への謝意を示していた。
会場では、そのほか各賞の発表も行われた。「観光映像大賞」は宮城県登米市を舞台にした「Go!Hatto 登米無双」、「インターナショナル観光映像大賞」はジェームズ・キャメロン監督がニュージーランドの大自然から着想を得て製作した「James Cameron in 100% Pure New Zealand」、「VISIT JAPAN大使特別賞」はスイス発のユニークな1本「The Great Escape」に栄冠がもたらされた。
「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2017」は、25日まで、渋谷のヒカリエホール、表参道ヒルズ スペース オーなど東京5会場と神奈川・横浜のブリリアショートショートシアターで開催。一部有料イベントを除き、無料上映。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。