カンヌ帰りの永瀬正敏「光」エキュメニカル審査員賞受賞の瞬間を明かす
2017年6月1日 13:00

[映画.com ニュース] 河瀬直美監督作「光」(公開中)で弱視の写真家を演じた永瀬正敏が5月31日、東京・代官山蔦屋書店で行われたトークイベントに出席した。同店では現在、写真展「映画『光』 永瀬正敏写真展 中森雅哉のその眼差し」を開催中。永瀬が実際に撮影した劇中登場写真の多くが展示されている。
弱視が進行しているカメラマン・中森雅哉(永瀬)が、バリアフリー映画のモニター会で音声ガイドを作成する尾崎美佐子(水崎綾女)と出会い、衝突しながらも理解を深めていくラブストーリー。第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、河瀬監督がキリスト教関連の団体から贈られるエキュメニカル審査員賞を日本人女性監督として初めて受賞した。
前日にカンヌから帰ってきたばかりという永瀬は、「カンヌでのんびりしてお茶でも飲もうとしていたら、電話が来て(エキュメニカル審査員賞を)受賞したと。監督に電話がつながらず、僕が先に聞いてしまった」と苦笑い。「監督には、僕の口から伝えたんです。『受賞しました、早く帰ってきてください!』って。授賞式に1人で行くことになっちゃいそうだったから(笑)。カンヌ映画祭で最初の発表らしくバタバタでしたが、監督は泣いていらっしゃいましたね」としみじみと振り返る。
永瀬自身は、カンヌでの印象的な出来事として「ずっと手を握って話しかけてくださった、かっぷくのいいおじさんがいて。“今回は負の作品が多かったけど、『光』は未来に向かって描いていく。こういう情勢だから、光のある作品が大事だ”と。また、スペイン人の記者の方が“この映画はすべての人へのラブレターです”とおっしゃっていてすごくうれしかった」と明かした。「取材日前日の夜に打ち合わせしたら取材が1本だけだったのに、試写のあと夜中にガンガン取材依頼が来たらしく10倍くらいになったんです」「公式上映は機材トラブルで1時間も押しちゃって、終わったのは夜の11時くらい。でも誰も帰らなくてうれしかった。スタンディングオベーションも雰囲気が違いましたね。今回はプライベートの時間がほとんどなかったんですが、いい日々でした」と充実感をにじませた。
河瀬監督の作品は“役を生きる”ことを求められ、永瀬も実際に弱視ゴーグルを装着し、雅哉の家に住んでいたという。永瀬は「(弱視ゴーグルをつけると)ミルク風呂になるようなやつ(入浴剤)が目に入っている状態。うっすらとはわかるんだけど、どこにピントが合うかわからない。右の上の方の一定の光しか見えないんです」と雅哉の視界を評した。
永瀬は続いて、河瀬監督の隠れた能力について言及。「河瀬監督はほぼ順撮りなので、『明日は夕日のシーンです』となるわけです。そうすると本当に夕日が出るんですよ。『なんてこったい!』と思う。午後に雨降ってほしいときには雨が降るんです。信じられない……。映画の神様に愛されていらっしゃるんですね。僕は(夕日の写真を撮るのに)5日かかったのに……うらやましいです」と語った。
永瀬による写真の生解説も行われ、「雅哉の感情を表現するためにわざとレンズを変えた瞬間を狙った」「弱視ゴールをつけて撮ったから、これは雅哉の写真です」という1つひとつの写真に込められたエピソードや永瀬の思いにファンたちは熱心に聞き入り、時折感嘆の声を上げていた。
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