辻本貴則監督「バイオハザード ヴェンデッタ」は「清水崇監督へのラブレター」
2017年4月25日 23:45
[映画.com ニュース] シリーズ累計販売7200万本を超える人気ゲームをフルCGで映画化した「バイオハザード ヴェンデッタ」の完成披露試写会が4月25日、東京・新宿ピカデリーで行われ、エグゼクティブプロデューサーを務めた清水崇監督、メガホンをとった辻本貴則監督、脚本の深見真、音楽を担当した川井憲次、原作監修の小林裕幸、対バイオテロ組織「BSAA」の一員D・C役を演じたダンテ・カーバーが舞台挨拶に立った。
本作は、ゲームや劇場版のメインキャラクターである「BSAA」のクリス・レッドフィールドと、アメリカ大統領直轄のエージェント組織「DSO」に所属するレオン・S・ケネディが初めて共闘する劇場版アニメの第3弾。クリス&レオンが仲間たちと共にバイオテロを目論む国際指名手配犯のグレン・アリアスと激しいバトルを繰り広げる様を描き出す。
辻本監督は、清水崇監督ら実力派のスタッフが結集したことで「製作に関して不安は感じていなかった。あとは自分で実力を発揮するだけだった」と告白。「勝負作になったと思います」と胸を張ると、清水監督は「小林さんからは“原点回帰”、怖さを強調したいという要望がありました。辻本監督が手がけることを知った時点でアクション寄りになるのはわかっていたので、恐怖描写の監修だけでなく、キャラの深み、ドラマパートなど、クリエイティブな面にも意見させてもらいました」と明かしていた。
初タッグとなった清水監督との作業は「相乗効果が出ています」と自信満々の辻本監督。「ホラー部分は清水監督の作品を見て、インスパイアされて、リスペクトされて…」と述べていたが、突然「パクった! 清水崇のリズムをパクったんです(笑)。なので、本作は清水監督へのラブレターのような一面があります」とまくしたてるように話すと、清水監督らは爆笑していた。
見どころについて問われた清水監督は「実写作品で芝居をつけるように、視線や口元、汗の描写まで、細かいディティールにこだわっています。ホラーとアクションを重視した作品ですが、悲哀を含めたドラマ部分も注視してほしい」とアピール。そして辻本監督は「CG映画になると、カメラワークが自由なんです。だけど、CGキャラクターでそれをやってしまうと、より“軽く”見えてしまう」と説明し、本作に関しては「ドラマパートでは実写作品で可能なカメラワークを徹底し、アクションシーンではその束縛を解き放って、縦横無尽にカメラを動かしたんです。すると、アクションシーンがどんどん盛り上がって見える。アニメですが、実写の感覚で楽しめるはず」と語っていた。
「バイオハザード ヴェンデッタ」は、5月27日から公開。