奥山和由“監督”、「クロス」支えたノーギャラ俳優陣に感謝しきり
2017年4月21日 20:37
[映画.com ニュース]映画プロデューサーの奥山和由氏と実力派撮影監督の釘宮慎治氏が共同でメガホンをとった映画「クロス」が4月21日、沖縄県で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」で特別招待作品として上映された。奥山監督は主演の紺野千春、音楽を手がけた盲目の歌手・木下航志とともに、那覇・桜坂劇場での舞台挨拶に出席した。
第39回城戸賞受賞作品が原案の今作は、あるジャーナリストによって白日の下にさらされた“集団リンチ殺人事件”加害者の現在の姿に焦点を当てながら、人間の欲望、嫉妬の渦、真の贖罪(しょくざい)とは何かを問いかけるエロティックサスペンスだ。
奥山監督は、「難しい内容ということもあって、なかなか映画化がかなわなかったが、実験的な映画になった」と手ごたえを感じている様子。そして、「ベテランの山中聡さん、今をときめく斎藤工くんら、ほぼノーギャラのような状態で支えてくれた。ありきたりですが、熱でうわーっと作っちゃった映画です」と語り、俳優陣の心意気に謝意を示した。
主演の紺野は、愛する人の妻を殺してしまった過去に苦悩する女性を、静ひつな感情表現で演じきった。クライマックスでは、濡れ場でヌードを披露しており新境地を開拓している。完成から1年以上が経っているだけに、「今日にいたるまで奥山さんが魂を削って動いてくださり、こういう場で上映できることに感謝しかありません」と穏やかな笑みを浮かべた。
「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」は、4月23日まで開催。