高良健吾、永山絢斗とともに小津安二郎監督作「東京物語」を語る
2017年4月10日 12:00

[映画.com ニュース] 熊本県で開催された「くまもと復興映画祭powered by 菊池映画祭」の最終日にあたる4月9日、熊本県立劇場で「高良健吾企画」として小津安二郎監督作「東京物語」が上映され、俳優・高良健吾と特別ゲストの永山絢斗がトークショーを繰り広げた。
「東京物語」は、1953年の封切り作。高良は現在29歳だが、生まれていない時代の映画を語ることは「おこがましいのではないか……」と不安を抱きながらも、自分たちが見て「いい映画」だと思った感動を多くの人に伝えたいという気持ちが後押しとなった。
高良が今作を選んだ理由、永山を特別ゲストに招いた理由は、ほかにもある。熊本出身の俳優・笠智衆さんの存在だ。高良と永山がNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で共演した際、永山が「笠智衆さんのようなお芝居がしたい。ああいうおじいちゃんを演じたい」と話していたことも、作品選定の決め手のひとつになったという。
この日の観客のほとんどが、初めて「東京物語」を鑑賞。高良の「笠さんは当時49歳だったけれど、映画では70歳近くを演じていて、背中の丸みを出すために座布団を入れていたそうです」と撮影秘話を語ると、場内からは驚きの声があがっていた。高良と永山は「小津さんの映画は、映画のどこかに自分がいるような気がする」「説明くさくなくて淡々としているところが心地いい」「ごく普通の日常シーンなのに感動する」など、俳優の視点で約40分にわたり語り合い、笑いと温かさにあふれるトークショーとなった。
そんな2人の姿を客席から見ていた行定監督は、高良が「東京物語」を上映したいと聞いたときは「136分と尺が長く、観客は眠くならないだろうか……」と危惧したようだ。それでも、今作を見たことのない若いファンが450インチの大スクリーンで小津作品と出合うことに意義があるとし、「血のつながりのない弟の嫁が、一番血のつながりのない人を心配している。そういう隣人の優しさは、今の熊本の人たちに響くと思った」と語った。
クロージングでは、オープニング作品でもある「うつくしいひと サバ?」が再度上映された。行定監督は「熊本の人たちは日常を取り戻すことに前向きで、当たり前の日々が尊いものであることをみんな知っている。その感情、姿、風景、瓦礫と化してしまったものも含めて、それでも人生は続いているってことを映画として記録に残さなければならないと思った」とメッセージを残し、大西一史熊本市長の「来年も映画祭を続けて熊本の未来を進んで行きたい」という言葉とともに閉幕した。
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