「銀魂に救われた」 福田雄一監督、大いなる愛を胸に実写化挑戦
2017年3月17日 12:00

[映画.com ニュース] 累計発行部数5000万部を突破した空知英秋氏の人気漫画を、小栗旬主演で実写映画化した「銀魂」の撮影現場が、2016年7月に東京・練馬区の東映東京撮影所で報道陣に公開された。脚本も兼ねた福田雄一監督、プロデューサーの松橋真三氏が、製作経緯や撮影の手応えを語った。
もともと原作ファンの間では「作風が似ている『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一なら、『銀魂』を実写化できるのでは?」と言われており、福田監督も長男からその評判は聞いていた。一方で「似てるって言われるのって、正直あまりいい気がしないじゃないですか(笑)。なんだと~と思ったんですよね。『勇者ヨシヒコ』はオリジナルですが、(『銀魂』は)それよりもだいぶ前から連載している漫画。ちょっと悔しいから、むしろ『どれどれ』じゃなくて、『見てやるものか』的な感じだった」と話す。ところがいざ鑑賞するや、「笑いの方向性や世界観が似ていると言われても仕方がない」と納得し、「そこからは、僕自身がガチはまり」と翻意した。
「仕事でくさくさしていても、家に帰ったらまず『銀魂』のDVDを見るという時期が何カ月も続きました。本当に『銀魂』に救われたところもあります。そのなかで、松橋さんから『何か一緒にやりませんか?』と言われ、『銀魂』をやりたいですではなく、『銀魂』は僕がやったほうがいいみたいですよっていう話をさせていただきましたね(笑)」
そんな福田監督の思いを受けた松橋プロデューサーは、集英社サイドに「福田雄一監督で実写化はいかがでしょう」と持ちかけたが、一度目は難色を示された。というのも、何度となく浮上したすべての実写化企画に対し、作品を大切にする空知氏が断りを入れていたからだ。しかし「勇者ヨシヒコ」を見た空知氏の胸に、「この人だったら『銀魂』を実写化できるかも」という思いが去来する。その後、松橋プロデューサーに「福田さんであれば可能性があります」と連絡が届き、再度提案の機会を設け実現にこぎつけた。
空知氏との初対面時を「『お待ちしておりました』って言われたんですよ」と嬉々として振り返る福田監督。空知氏には「今回も低予算ですか?」「エリザベスはダンボールで作りますか?」とジョーク交じりにからかわれもしたが、「お任せします。好きにやってください」「(笑いのトレンドは変遷するため)今のお客さんが笑える変換をしていただいて構いません」と大きな信頼を得た。
2016年3月に脚本の初稿が完成。小栗、菅田将暉、橋本環奈の出演もすんなり決まり、同年7月3日にクランクインを迎えた。空知氏が寄せた「メンバーが豪華だろうと、原作が原作ですから基本泥舟」というシニカルなエールに、福田監督は涙ぐむほど喜び、救われた。
一方で、やはり不安はつきまとった。SFや時代劇などの要素が混在する世界観は微に入り細をうがつ美術で再現したが、最大の不安要素は、橋本演じる宇宙最強の戦闘種族の少女・神楽が発する「~アル」という語尾。福田監督は「生身の人間の『~アル』は、ものすごく違和感を与えるのでは?」と感じ、「クランクインの前日に全然眠れなくて、吐くまで悩んでいた」と弱気になった。
それでも、撮影に入ると懸念は即座に払拭された。「(初めて橋本の)『わかってるアル』というセリフを聞いた時、何の違和感もなくて。これはちょっと、一つの勝利を得たなと感じました」。小栗と菅田のセリフ回しについても、「今のお客さんが違和感がないように(原作のセリフを)若干アレンジしていくのが、僕の仕事だと思っています。できるだけ原作に寄せた形で、ちゃんと今も笑える設定はできていると思います」と胸を張り、「それは、菅田くんが非常にできた役者さんだということも一つあるし、小栗くんが銀時のニュアンスを掴んでくれているというところが一番大きいと思います」と称賛を惜しまない。
撮影の日々は「正直なところすごく疲れます」と吐露したが、「朝起きて最初に思うことは『今日も銀ちゃんに会えるんだな』っていうワクワク」と充実感をみなぎらせる。「僕はやっぱり『銀魂』が大好き。現場に行ったら銀ちゃんに会えるって、最高に幸せなことだと思うんです。今日の撮影シーンだって銀ちゃんと神楽と新八と万事屋が3人そろっているわけで、それを見たら幸福感しかないですよね。万事屋のセットに入って『あ! 糖分って書いてある』『いちご・オレって書いてある』とか、そういうことの一つ一つにワクワクしています」。
小栗をはじめ、主演クラスがズラリと並ぶ豪華な俳優陣。兎にも角にも、全員が現場を楽しんでいた。「小栗くんが言っていたのが、『ほかの現場で“そういうことはやめてくれ”と言われることが全部できるから嬉しいっす』って(笑)。それは菅田くんも一緒だと思うんです」「みんな自分の役に前のめりで楽しんでくれている。みんなが『銀魂』を愛していて、そのリスペクトがベースにあれば、絶対にブレないと思っています」。
映画「銀魂」は、7月14日から全国で公開。
(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会
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