ゆうばり映画祭2017コンペ部門グランプリは永山正史監督「トータスの旅」
2017年3月5日 19:33

[映画.com ニュース]「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2017」の授賞式が3月5日に開催され、最高賞に当たる長編映画を対象にしたファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリに、父と息子の旅路を描いた永山正史監督の「トータスの旅」が輝いた。
永山監督は埼玉県在住の33歳で、2012年に初めて監督した中編映画「飛び火」がぴあフィルムフェスティバルで入賞。現在はフリーランスでコマーシャルや企業向けの映像作品のディレクターおよびカメラマンをしているという。
映画は、父親と息子の一風変わったロードムービー。監督自身が子育ての過程で感じた思いがヒントになっているとのこと。「子どもがハイハイから立ちあがって、歩いて、走って、ジャンプするようになり、声も出て、叫んだり、自由に体を動かすようになって。でも下の階から苦情が来ると叱らなければいけなかったり、公園でも怒られたり、保育園にも入れなかったり……。その“怒り”が確かにあった。人間がちゃんと喜べることをスクリーンの中でできたらという思いがあった」と説明した。
審査委委員長を務めた映画監督・内藤誠は「トータスの旅」について「子どもと動物が出てくると、(映画製作は)ひどい目に遭うものですが、その両方、少年と亀が出てくるけど、キッチリとクリアしていた」と語り「ほぼ全員が一致して」グランプリ授与が決まったと明かした。
一方で、審査員講評では、審査員を務めた女優のほたるから、ノミネート作品全体の傾向として「女性の描き方が酷すぎる。蔑視的な表現が多すぎると思います。女性が男性の欲望、性欲を受け止める存在か母親しかいない。もうちょっと、女優にもいろいろ仕事をさせてください」と女性、女優の視点での苦言も飛び出した。
また、短編映画を対象にしたインターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では韓国映画「M.boy」(キム・ヒョジョン監督)がグランプリを受賞した。
授賞式終了段階で発表された観客動員数は11718人で、最終的に昨年を下回ることになる見込みだが、これはスクリーン数が昨年の6スクリーンから5スクリーンに減少した影響が大きいよう。夕張市の財政破綻による一時休止(2007年/同年は有志による「ゆうばり応援映画祭」が開催)を経て、2008年に再開され、今年で節目の10回目の開催。来年以降、アニメーション映画部門の新設など、さらなる改革が行われることも発表された。
審査員特別賞:「ベートーベン・メドレー」(イム・チョルミン監督)
北海道知事賞:「はめられて Road to Love」(横山翔一監督)
シネガーアワード(批評家賞):「ストレンジデイズ」(越坂康史監督)
スペシャル・メンション(非公式の特別賞):「堕ちる」(村山和也監督)
審査員特別賞:「歯」(パスカル・ティボウ監督)
優秀芸術賞:「あたしだけをみて」(見里朝希監督)/「Mizbruk」(ダニエル・デュランロー監督)/「たこ船長とまちわびた宝」(飯田千里監督)
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