映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

“家なし”モデルを描く「ホームレス」監督、撮影はすべてぶっつけ本番!「まさに冒険だった」

2017年1月20日 14:30

リンクをコピーしました。
メガホンをとったトーマス・ビルテンゾーン(写真左)
メガホンをとったトーマス・ビルテンゾーン(写真左)
(C) 2014 Schatzi Productions/Filmhaus Films. All rights reserved

[映画.com ニュース]米マンハッタンのビルの屋上で寝泊まりする異色のモデルに密着したドキュメンタリー映画「ホームレス ニューヨークと寝た男」で、長編ドキュメンタリー監督デビューを果たしたトーマス・ビルテンゾーンが、作品の舞台裏を語った。

6年間も“家なし生活”を行いながらモデルやフォトグラファーとして暮らすマーク・レイの一風変わったライフスタイルに焦点を当て、ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭2014で、優れたドキュメンタリー作品に与えられるメトロポリス・コンペティション審査員賞を受賞した本作。自らもモデル出身であるビルテンゾーンは、20年来の友人のレイからホームレス生活を打ち明けられた際、すぐに本作の製作をオファーしたという。「2010年にニューヨークで再会したとき、マーク(・レイ)は50代前半にしては、まだまだ見ばえのする外見を保っていて、立派な服装で落ちぶれた様子などみじんもなかった。だから、彼の生活について聞かされたときにはとてもショックを受けた。最初は冗談だと思ったよ。まるで国中の銀行の機能がダメになったとか、倒産したという話を聞かされたときのように、理解しがたいことに感じた」。

レイへの長期間にわたる密着取材を、ビルテンゾーン監督は「まさに冒険だった」と述懐する。「私はキャノンのEOS 5D Mark IIと音声レコーダーを持ち、マークと私の2人だけで彼の人生を記録した。撮影はゲリラスタイルで、その場で起こったことはすべて記録したんだ。事前に撮影場所をチェックすることは1度もしなかった。時には危険を伴うこともあったが、リハーサルも一切せずに、彼の身に起こることをありのまま見ることができるという点ではとても興味深かったね。肉体的にきついと感じるときでさえ、挑戦的な気持ちは持ち続けていたよ」と最少人数・最小設備での撮影だったというが、映画祭への出品、さらには遠く離れた日本でも公開されるとは、当時は予期してなかっただろう。

ではなぜ、被写体と監督の2人きりから始まった本作は人々をひきつけるのか? ビルテンゾーン監督は「今、この時代の姿をありのままに映し出すことで、家やすべてを失うことが、意外と身近に起こり得るのではないか?という疑問を投げかけている」と語る。「本作は、我々の社会の裏側に隠された、アメリカン・ドリームの弱点を描いた作品だ。この作品の中でニューヨークは単なる美しい背景ではない。この街はマークがホームレス生活になることを決定づけた敵なんだ。喜びと痛み、愛と憎しみ、成功と拒絶。ニューヨークはマークをあざ笑っている。彼が栄光と創造力に満ちたこの街にとどまるために選んだ苦難の道、ここで生きていくために思いついた方法は、すべてがとても特異なものだ」。

すらりと伸びた手足に高級スーツをまとい、ニューヨークを意気揚々とかっ歩するレイは、一見すれば人生の成功者だ。だが、現実はビルの屋上でひっそりと暮らしているホームレス。ビルテンゾーン監督は「“普通”の生活を追い求めている彼が夜中に帰り着く場所は、アメリカン・ドリームが悪夢に変わった場所なんだ」と表現し、華やかな外見に隠されたレイの内心を代弁する。「この普通では考えられない状況に耐えている彼をつき動かしているものは何か? 彼がこれまでの過去に、そして今、人生に望んでいることは何なのか? マークは800万人の夢のど真ん中で、途方に暮れ孤独の中でたたずんでいる。やる気に満ちた魅力あふれる外見と、想像をかきたてるニューヨークの街と、その陰に隠された栄光とはほど遠い場所でバランスをとりながら。そう、彼はホームレスなんだ」。

ホームレス ニューヨークと寝た男」は、1月28日から全国順次公開。

トーマス・ビルテンゾーン の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版 NEW

内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る