渡辺謙「しあわせの記憶」充実撮影に手応え「今までにないドラマになりそう」
2016年12月12日 08:00
[映画.com ニュース] 俳優の渡辺謙が主演する毎日放送開局65周年記念の新春ドラマ特別企画「しあわせの記憶」の撮影現場がこのほど、報道陣に公開された。
大石静のオリジナル脚本で、離婚した父親が5年ぶりにふらりと舞い戻ってきたことから妻と2人の娘、そして父親自身も人生を見つめ直していくホームドラマ。「破天荒な父親を何としてでもやってもらいたい」という志村彰プロデューサーたっての希望に応えた渡辺をはじめ、2人の娘は北川景子と二階堂ふみ、妻に麻生祐未という豪華な一家がそろった。
撮影されていたのは、久しぶりに家族4人が集い正月の食卓を囲む団らんのシーン。渡辺はおせち料理のカズノコやアワビなど高級食材に手を出しては麻生にたしなめられ、北川の恋愛の話題になると耳をふさいでわめくなど、アドリブも交えながらテストと本番を入念に繰り返し、それを3~5台のカメラが多角的に追っていく。飲むワインも赤と白のどちらにするか聞くなど、細部にまでこだわりを見せる渡辺は、「いろんな形を話し合いながら、家族をつくり上げていっている感じかな」と“家長”として現場を引っ張っている。
事業の失敗で借金を背負い、離婚を条件に家を出たというダメ親父で、イメージは現代版の寅さん。「世の中の50~60代の大半は歯を食いしばって家族を背負っている人がほとんどだけれど、そのタガが外れると違う道があるのかと揺らいでしまうという精神が今っぽい。男としていいのかという部分もあるが、なきにしもあらずという思いで役と向き合っている。今までにあまりない形のドラマになりそう」と充実した表情で語った。
北川は、「家族ともうちょっとうまくやれたら、という人にはヒントになるかも。どこかに共感できる部分があるんじゃないかな」と笑顔。二階堂も、「私も家族の在り方を考えるきっかけになった。見る方もそう思っていただける、楽しめる作品」と手応え十分の様子だった。
ちなみに、渡辺と麻生が出会ったのは1985年10月16日、阪神が21年ぶりのリーグ優勝を決めた神宮球場のスタンドという設定。31(掛布)、7(真弓)などの数字が張られた黄色いメガホンが小道具として使われていた。もしや大の虎党で知られる渡辺のアイデアなのでは思ったが、これは毎日放送の制作サイドの意向だそうだ。
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