弁士・片岡一郎、「あと10年でほとんどダメになる」古いフィルムの発掘情報を呼びかけ
2016年10月31日 18:55

[映画.com ニュース] 第29回東京国際映画祭の「日本映画クラシックス」部門で、1926年のサイレント映画「忠臣蔵」のデジタル最長版が10月31日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、弁士を務めた片岡一郎と伴奏の琵琶奏者・川嶋信子がティーチインに出席した。
日本映画初期の大スターで、1000本以上で主役を務めた尾上松之助の主演作。昨年、個人所蔵の9.5ミリフィルムが発見され、松之助の没後90年に当たる今年に、52分の最長版がお披露目となり、片岡は「松之助の遺志によって、今のタイミングで見ていただけることになったのでは」と感慨深げに話した。
同作での川嶋とのタッグは2度目で、「リハーサルもやっていない。お互い話す内容とリズムを感じながら、その場で完成させる。次にやったらまた別のものになる」と解説。セリフなどは、「インタータイトル(字幕)を軸に、二次創作していく。忠臣蔵は歌舞伎や講談などコンテクストが膨大にあるし、専門家の方にもちょいちょい直しを入れてもらいながら作っていく」と内幕も披露した。
片岡は「日本のサイレント映画のフィルムの現存率は8%。歌舞伎や落語は名作が後輩に受け継がれるが、フィルムは物体なので面白いものは何度もかけられてダメになっていく」と、フィルムの発見・保存にも尽力。「あと10年もすれば、ほとんどのフィルムがダメになる時期にきている。いち早く発見し、適切な環境に置いてあげなければいけないので、情報があれば寄せてほしい。私の仕事もしやすくなりますから」と、ジョークを交えつつ訴えた。
同作は27日の「歌舞伎座スペシャルナイト」でも上映され、その際はフリーアナウンサーの古舘伊知郎が「血煙高田の馬場」で弁士に初挑戦。片岡は、「古舘さんにしかできない語りで見事だった。我々にとっても大きな力になるし、もっとやりたいとおっしゃるのであれば我々のやり方もお教えするなど、いろんなお力添えはできると思う」と共演を呼びかけていた。
第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

宝島
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】すさまじい映画だった――全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

映画「F1(R) エフワン」
【「トップガン マーヴェリック」を観た人類におくる】あの“胸アツ”を更新する限界突破の超注目作
提供:ワーナー・ブラザース映画

フロントライン
【感情、爆発。】日本を代表する超豪華キャスト。命を救う壮絶な現場。極限の人間ドラマ。魂の渾身作。
提供:ワーナー・ブラザース映画

試写会で絶賛続々
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

ネタバレ厳禁映画の“絶品”登場!
【超・超・超・超・異色展開】このカオス、このサプライズの波状攻撃…あまりにも好きすぎた
提供:バンダイナムコフィルムワークス

We Live in Time この時を生きて
【仕事にならないくらい泣いた…】人生の岐路で何度も観返したい、“一生大切にする”珠玉の1本
提供:キノフィルムズ

おばあちゃん版「ミッション インポッシブル」!?
【辛口批評サイト98%超高評価!】アクション映画好きに全力でオススメ!めちゃ良かった!!
提供:パルコ