長谷川博己、尾野真千子とのアドリブ合戦を満喫 夏目漱石・鏡子夫妻演じる
2016年9月7日 14:50
今年で没後100周年となる文豪・夏目漱石こと夏目金之助が駆け抜けた激動の日々を、妻・夏目鏡子の目線でコミカルに描く。直情タイプの鏡子を自由奔放に好演した尾野は、「心配事はありつつも、長谷川さんとの芝居が楽しくて。セリフが覚えられないなどの苦もあまりなく、監督もカットをかける時に『かわいい!』とか、遠くのベースから聞こえるくらいほめてくださる。本当に楽しく出来たから、楽しい作品になっていると改めて感じました」とほほ笑んだ。
一方、知性たっぷりに漱石を演じた長谷川は「誰もが知る文豪を演じるのは、初めはものすごくプレッシャーでした」と吐露。脚本・池端俊策と対面した際に「目の前で見ると背が大きいんだね。漱石は背が小さく、それがコンプレックスだった」と言われたそうで、「僕の配役が変わるのでは? と心配になりました」と苦笑いを浮かべた。それでも、「撮影では尾野さんがどんな芝居にも受け応えてくれた」といい、「そのキャッチボールが楽しく、不安もなくなりましたし、僕らが楽しめばいい作品になると思っていました」と晴れやかな表情で振り返った。
撮影時はそんな2人によるアドリブ合戦が繰り広げられていたそうで、尾野は「(劇中の会話は)ほぼアドリブ」と告白。続けて「長谷川さんはいつも感動的な言葉を言ってくださる。考えて言っていたんですか?」と問いかけると、長谷川は「いろんな資料を読んで『漱石はこう言った』ということや、台本のセリフも頭に入っているので、気持ちの流れでそれがポーンと出ることはありました。会話が面白くて、2人で笑い転げ撮影にならないこともありましたね」と説明していた。
また長谷川は、漱石と鏡子の“夫婦愛”についても言及。「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こころ」など名作の多くは、妻との生活が下敷きだとされているだけに、「鏡子さんの献身なくては、ああいう小説にはならなかったと思う」と明かす。そして「漱石は家族を持って幸せだったか、夫婦とは、家族とは何かを考えながら演じていました。作品を通して、いまだに結論はわからない。考えさせられるドラマです」と見解を述べていた。
「夏目漱石の妻」は、9月24日からNHKで毎週土曜午後9時放送。全4回。
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