ロバート・レッドフォードが語る、中年&老年の危機描いた「ロング・トレイル!」への思い入れ
2016年7月9日 06:00

[映画.com ニュース]オスカー俳優のロバート・レッドフォードが主演・製作を務め、映画「ロング・トレイル!」。シニア2人組が3500キロに及ぶ自然歩道、米アパラチアン・トレイル踏破の旅を描く物語で、原作となったベストセラー作家、ビル・ブライソンの紀行文「A Walk in the Woods」への思い入れをレッドフォードが語った。
2002年に偶然原作を手にし、13年もの歳月をかけて20015年にアメリカ公開にこぎつけた。「どうして手に取ったのかわからないが、ちょうど家を出るところだったから、持って行って読んだんだ。一読して、ああこれは運命だと思ったね。一冊の本でこんなに何度も声を出して笑ったのは初めてだと思う。私はしゃれたユーモアが好きで、この本には至る所にそれがちりばめられていた。皮肉ギリギリの“ちゃかしたユーモア”。色々な本や映画と巡り合ってきたけれど、本当のユーモアは真実からしか生まれない。それを誰かと分かち合いたい気持ちに突き動かされて、どうにか映画にできないかと思ったんだ」
レッドフォードは突如3500キロ踏破を思いつく紀行作家を演じた。何の変哲も無い日常に飽き飽きしていた、どこか偏屈な自身の役柄について「ビルはなぜ自分がアパラチアン・トレイルにひかれたか分かっていない。どうしてその衝動に駆られたのかが説明できないんだ。だけど人生でそう思う時期にさしかかっていた。人生のある瞬間に訪れる衝動だね。中年の危機、と言えるかもしれないが、いや、この場合だと老年の危機かもしれない。説明できないような危機なんだ」と分析する。
そして、「今までのやってきたことや、仕事面での生活がもう意味をなさなくなってきた。どうしたらいいかが分からないから、一人でどこかへ行きたいと思うようになる。そして何かに挑戦したいと思う。何か極端なことに。たとえそれが家族に受け入れられなくても、理解されなかったとしても、自分がチャレンジしないことには今後の人生を生きていけないと思い始めるんだ。そして彼は無謀とも言える旅に出た。3500キロを歩く旅にね」と説明した。
「ロング・トレイル!」は、7月30日から、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
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