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ムンバイ同時多発テロを体験した少女の実話「パレス・ダウン」公開決定

2016年5月24日 17:00

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2008年のムンバイ同時多発テロを 被害者の視点で描く
2008年のムンバイ同時多発テロを 被害者の視点で描く
(C) 2015 - EX NIHILO - ARTEMIS PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINEMA

[映画.com ニュース] 2008年11月にインド・ムンバイで起こった同時多発テロで、襲撃された高級ホテルに閉じ込められた少女の体験を描いたサスペンス「パレス・ダウン」の公開が決定し、予告編がお披露目された。

3日間続いたテロ事件では、イスラム過激派とみられる10人の武装グループが、主要駅や高級ホテル、観光客向けのレストランなどを次々と襲撃。外国人30人を含む195人が死亡、300人以上が負傷した。映画では、タージマハル・ホテルのスイートルームに1人取り残された18歳の少女を、ラース・フォン・トリアー監督の「ニンフォマニアック」2部作で体当たりの演技を見せたステイシー・マーティンが熱演。製作国のフランスでは、公開直前の15年11月にパリ同時多発テロに発生し、公開自粛も検討されたが、「テロへの警鐘を鳴らすため」とニコラ・サーダ監督はじめ製作陣が公開に踏み切り、大きな話題を呼んだ。

予告編では、父の転勤の都合でムンバイにやってきたルイーズが、新居が決まるまでの仮住まいとなるタージマハル・ホテルに到着する場面からスタート。両親が夕食に出かけ、1人で部屋に残っていた時に襲撃が発生し、ルイーズが暗闇の中で聞こえてくる銃声や叫び声に不安を募らせながら、携帯電話で父親と連絡をとる様子がスリリングに描き出される。

今作は、サーダ監督の友人の姪の実体験に基づくものだが、編集を始めて数日後に、シャルリ・エブド紙とユダヤ系食料品店ハイパーキャッチャーの襲撃事件が起き、奇しくもタイムリーな題材となった。「襲撃の背景にある地政学やイデオロギー、実行犯と彼らの掲げる大義。これらはすべて重要な要因ですが、その一方で突然悪夢の中に突き落とされた被害者について、これまで語られることはありませんでした」と言い、初監督作である今作を通して「現代社会における残虐性や現実に真摯に取り組みたいと思った」と語っている。

フランス映画祭(東京、大阪&京都、福岡)で上映された後、東京・新宿シネマカリテの「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」(7月16日~8月19日開催)で限定公開される。

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