「七人の侍」「生きる」が4Kデジタルリマスターで復活、午前十時の映画祭7で上映
2016年2月19日 10:00

[映画.com ニュース] 黒澤明監督の代表作「七人の侍」と「生きる」が、4月2日に開幕する「午前十時の映画祭7」にラインナップされることが決まり、4Kデジタルリマスターの修復作業が行われた。
両作品のオリジナルネガは可燃性の高いナイトレートフィルムのため処分された可能性もあり、「七人の侍」は東宝の保管庫に残されていたマスターポジ、デュープネガなど4本のプリントを使用。4人の技術者が視認できる傷や汚れなどをチェックし、よりオリジナルに近い状態のものを探す。
その後、日本に初めて導入された音声を画像に変換する光学サウンドトラック・デジタル再生装置「ソンダーレゾナンス」にかけ、映像は6Kまで対応できるスキャナーでデジタルスキャン。コンピューターに取り込まれた映像は、技術者が7人態勢で1コマずつ処理していく。傷や劣化が見つかった個所は、その前後のカットから“コピー&ペースト”するような修正が施される。
「七人の侍」は上映時間3時間27分でフィルムは20巻、実に29万7406コマと膨大。「生きる」も2時間23分で15巻、20万5405コマに上るだけに、精細で根気と集中力が求められる作業だ。そして、ソンダーによって可視化された音声からノイズなどを除去する整音を経て完成した素材となる。整音の担当者は、「これまではテレシネ(信号による変換)主体で、音の解像度が低く再現性が悪かった。これからは原音に忠実な再現が目標になります」とソンダーの効果を明かす。
4Kデジタルリマスターの映像は、濃淡はもちろん背景の細部までクリアになり、まさに“新作”として復活。スクリプターとして黒澤組を支えた野上照代さんも、「ただただ感動。黒澤さんに見せたい。きっと喜ぶだろうに。『七人の侍』はセリフが聞き取りづらくて、日本語字幕を付けようかっていう話もあったくらい。生き残りとしてお礼を言います」と、その最新技術に感嘆の声を上げていた。
「午前十時の映画祭7」は、4月2日~2017年3月24日の開催。
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