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塩田明彦監督ウェブ用作品がスクリーンで復活 震災描写へのこだわり語る

2015年11月25日 17:00

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繊細な描写に思いを込めた塩田明彦監督
繊細な描写に思いを込めた塩田明彦監督

[映画.com ニュース] 塩田明彦監督がウェブサイト用に製作した「昼も夜も」が11月24日、東京・有楽町朝日ホールで開催中の第16回東京フィルメックスで上映された。ウェブでの公開は終了したが今映画祭の特別招待作品としてスクリーンで復活し、塩田監督がティーチインに出席。東日本大震災を想起させる描写へのこだわりを明かした。

同作は、著名な映画監督が手がけた作品をYouTube限定で無料公開する、「ネスレシアター on YouTube」内で2014年に公開された中編映画。瀬戸康史扮する中古車自動車店経営者の良介のもとに、男に置き去りにされた女・しおりが現れる。しおりは強引に中古車の中に居座り、その状況を放っておけない良介は次第にしおりの世話を焼くようになる。

塩田監督は、海のシーンの前に「2014.3.11」と日付を表示したり、しおりに「腐った魚の臭い」というセリフを繰り返し使用したりするなど、震災を思わせる演出を施した。劇中では語られないしおりの過去について、「3年前の高校生くらいで、とても大切な人をそこ(震災)で失っている」といい、「大切な人を失って自分自身が生き残った人は、大きな罪の意識を背負って、自分を罰するような行動に走るらしい。その感覚がしおりさんにあるというのが、脚本が書きあがって、キャスティングも終わって、リハーサルを何度かやっている時に浮かび上がってきた」と、震災の描写が主軸になっていった経緯を明かした。

また、良介としおりの不器用で繊細な思いが交錯するラストシーンは爽やかだが、最後に物々しいヘリコプターの音が入っている。この演出は、「映画がきれいに終わりすぎてはいけないと思った」と説明。「小さなロマンティックな話だけれども、一方で、震災以降の今の日本の状況が漂っている映画だった。(ヘリコプターの音は)今の日本を感じさせることのひとつ」と思いの丈を語った。

「昼も夜も」は、ラフな脚本を基に少しずつ肉付けするという自主映画時代の方法論を適用して製作されており、塩田監督の原点回帰ともいえる作品となった。第16回東京フィルメックスは、11月29日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。

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