カンヌグランプリ受賞作「サウルの息子」 タル・ベーラに師事したハンガリーの新鋭が来日
2015年11月17日 19:30

[映画.com ニュース] 第68回カンヌ映画祭グランプリ受賞作「サウルの息子」のネメシュ・ラースロー監督が来日し11月17日、ハンガリー大使館で会見した。
ハンガリーの名匠タル・ベーラに師事したネメシュ監督の長編デビュー作。アウシュビッツ解放70周年を記念し製作され、強制収容所で、死体処理に従事するユダヤ人のサウルが息子の遺体を見つけ、ユダヤ教の教義に基づき葬ろうと奔走する姿と、産業的規模で大量殺りくが行われていた収容所の実態を描く。
これまでアウシュビッツの悲劇について数多くの作品が作られているが、ネメシュ監督も強制収容所の被害者だった家族を持つ。「文明社会が自分自身を破壊に導く状況をどれだけリアルに伝えられるかが、自分にとってのテーマ。今までのアウシュビッツの映画で伝えきれなかったことを伝えたかった。人類は自己破壊的な性質を持っているということを抱えて生きていくべき」と語った。
ゾンダーコマンドという、ナチスに選ばれた死体処理の特殊部隊を描いた。「地獄において、生きることを許された存在だが、精神的に破壊され、殺されていく。どうしようもない状況で、何ができ、何をするのかを描きたかった」と説明。プロの俳優ではなく、詩人のルーリグ・ゲーザを主演に抜てきした理由を「自分の考えをかたくなに持つ人間。内面的にサウルを理解し、なりきってくれたので、細かく指示する必要はなかった」と話した。
幼少期から映画業界と関わりがあったことから映画監督を目指し、タル・ベーラ作品の助監督を経験した。「映画学校で勉強することとは別に、大切なのはどんな師に出会い、何を吸収するかが映画人生を左右すると思う。私は尊敬できる師に巡り会えて幸運だった。例えば、シーンのカットは必ずしも、物理的なカットではなく、映像の持つ感情部分のカットというのが彼(タル)の技法。実人生もどこにもポーズはかけられないし、カットできるものではない。動いているカメラワークの中で、見えるカットではなく感じるカットをどれだけ使えるかを私も重要視しています」と名匠から受けた影響について語った。
「サウルの息子」は、2016年1月23日公開。
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