日本・トルコ合作「海難1890」、両国首脳が鑑賞 安倍晋三首相「記念すべき年の集大成」
2015年11月14日 21:30
[映画.com ニュース] 日本・トルコの友好125周年を記念し両国の合作で製作された映画「海難1890」が11月13日(現地時間)、トルコ・イスタンブールのユルドゥズ宮殿で特別上映され、日本の安倍晋三首相とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が鑑賞した。合作映画とはいえ両国のトップが一堂に会し、作品を鑑賞することは極めて異例といえる。
1890年9月に和歌山県串本町大島の沖合で発生したトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故と、1985年のイラン・イラク戦争下でのテヘラン在留邦人の救出劇を軸に、時をこえた日本とトルコの友好関係を描く本作。11月15、16日にトルコのアンタルヤで開催される「20カ国・地域首脳会合(G20)」を前に、安倍首相とエルドアン大統領は映画を通じて両国間の絆を再確認し、上映後には会場を温かな拍手が包み込んだ。
その後の会見で、安倍首相は「人類に普遍的な勇気と思いやりの物語であるとともに、エルトゥールル号事件125周年、トルコ航空による日本人救出30周年という、記念すべき年の集大成といえる作品であると思います」と作品の感想を述べる。そして、「1985年3月、トルコによる日本人救出の際、外務大臣であった父・安倍晋太郎の秘書官として、私はこの歴史的瞬間の話を耳に致しました」と当時を振り返り、「あの時の感動と感謝の気持ちは今でも忘れませんし、今、プレミア上映を一緒に拝見をさせて頂きまして、あの時の感動、感激が再びよみがえって参りました」と語った。
さらに安倍首相は、「日本とトルコは広いアジアを東西から支えるふたつの翼です。エルドアン大統領とともに手を取り合って日本とトルコが作るそのふたつの翼をより強く大きく、羽ばたかせていきたいと思います」と力強く宣言。エルドアン大統領も「友情の映画が作られて、感激しています。この映画は日本とトルコの文化の関係を近くする」と同調した。
また、本作のメガホンをとった田中光敏監督、出演したトルコ俳優ケナン・エジェ、メリス・ババダーも出席。田中監督は「この125年のトルコと日本の友情をみならって、私たち映画人も学び、友情の輪を広げ、世界への平和、友情のメッセージとして広がっていくことを願います」と固く誓い、エジェは「ふたつの国の友情と(安倍首相が)G20の前にイスタンブールに寄ってくれたことに感激です。そこにも友情が強く現れています。日本の歴史に残る1日になったのではないかと思います」と感激の胸中を明かした。
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