第9回田辺・弁慶映画祭、柴野太朗監督「モラトリアム・カットアップ」がグランプリ!
2015年11月10日 18:45

[映画.com ニュース] 第9回田辺・弁慶映画祭が、11月6日から和歌山県田辺市の紀南文化会館で開催され、8日に閉幕。コンペティション部門入選作品の中から弁慶グランプリほか各賞が発表された。
同映画祭は、沖田修一、今泉力哉、瀬田なつき、岨手由貴子ら商業映画で活躍する多くの若手監督を輩出してきたインディーズの登竜門。今回、応募総数144本の中から8本が入選し、厳正な審査の結果、弁慶グランプリは23歳の柴野太朗監督「モラトリアム・カットアップ」が受賞した。同作は、喫茶店でとりとめのない時間を過ごす幼なじみ4人組を主人公に、文章や音楽で用いられる“カットアップ”という手法からインスパイアされた、過去と現在、虚構と現実が交錯する、実験的でありながらポップでエンタテインメント性のある作品。柴野監督は、「この作品でまさか受賞できるとは思っていなかったので本当に嬉しい」と喜びを語った。
男優賞は「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」の監督でもある松本卓也、女優賞も同作の山本真由美、映検審査員賞は甲斐博和監督「INNOCENT 15」、市民賞は松本監督の「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」、そして今年特別設置された映画.com賞は石橋夕帆監督の「ぼくらのさいご」に決定した。今回圧倒的な作品力で3冠となった松本監督は、インディーズ映画では高い評価を得ているが、田辺・弁慶映画祭での受賞をきっかけに、今後は商業映画のフィールドにも活動の場を広げていくのか注目される。
李允石監督「雨時々晴れ」、岩永洋監督「ASO eternal grassland」、宗俊宏監督「CAMEO'n Me」、村田唯監督「密かな吐息」は惜しくも受賞を逃したが、入選作品は開催を重ねるごとにクオリティが上がっており、掛尾良夫特別審査員長は「審査も今年は例年になく長い時間議論し、各賞受賞作品の差はいずれも僅差だった」と総評で述べた。また今年は女性が主人公の作品が多く、特別審査員の三木聡監督も「女優賞も『INNOCENT 15』の小川紗良さん、『ぼくらのさいご』の堀春菜さん、『雨時々晴れ』の広澤草さんと、誰が受賞してもおかしくはなかった」と女優陣の演技の可能性を評価した。
なお、本映画祭は2016年に第10回開催を迎えることを記念し、第9回までのコンペ部門入選監督までを対象に、映画を制作するための企画を募集する企画コンペを行う。田辺市内を中心に撮影した90分程度の作品を第10回同映画祭(16年11月開催予定)でプレミア上映を行なうことを条件として、最優秀企画には制作資金として300万円が授与される。募集期間は11月30日まで(www.tbff.jp/)。
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