伊藤淳史&真壁幸紀監督が手ごたえをつかんだ「ボクは坊さん。」
2015年10月25日 08:00

[映画.com ニュース] 子役からキャリアを重ねてきたベテラン俳優と、長編デビューの新人監督。それでも、伊藤淳史と真壁幸紀監督の年齢差はわずかに1つ。2人が互いの意見をぶつけ合い、強固な関係性を築いて生み出したのが、リアリティあふれる僧侶の世界と若者の心の成長が見事に融合した「ボクは坊さん。」だ。
世の中は、坊さんカフェや僧侶バーなどがはやっている“プチ坊さんブーム”らしい。だが、「ボクは坊さん。」の企画は3年ほど前に立ち上がり、その時点で伊藤には主演の打診があったという。
「お坊さんの世界は全く知らなかったんですけれど、想像がわかない感じが逆に面白そうだなと思っていました。台本を頂いたら、お坊さんって特別な時にお会いする存在だったんですけれど、普通の青年が生きていくことの大変さや、人間として生きることへのメッセージや魅力が詰まっていたんです。もう絶対にやりたいと思っていました」
その後、さまざまな課題をクリアして実現に至り、監督として白羽の矢が立ったのが真壁監督。待望の監督デビューのチャンスを意気に感じないわけがない。
「1人の若者のストーリーになっていたので、その気持ちの部分を描けば僕でもできるかなと思ったので、やらせてください、と。撮影時期や期間なども決まっていたので、このシーンは撮れる、撮れないとプライオリティを置いて、物語として僕が得意な方向にもっていきました」
四国八十八カ所霊場、第57番札所の栄福寺(愛媛・今治)の現役住職・白川密成氏の同名エッセーが原作。寺の子に生まれ仏教系の大学を卒業したものの、地元で書店員の職についた白方進だが、祖父の死によって24歳で光円と改名し住職となる。ノンフィクションを基軸に、光円の幼なじみとのエピソードなどのドラマを盛り込んでいった。
伊藤にとって、年下の監督との仕事は初めて。ここに驚きを感じつつも、ほぼ全編出ずっぱりの主役であるだけにおのずと気合も入る。
「数年前なら共演者、スタッフも含めて僕が一番年下だったのが、もう半分くらいは年下だったりする。自分が明らかに年を重ねていると感じるし、先輩だからちゃんと現場を作っていかなきゃいけないという思いもありました」
実際の栄福寺で、密成氏も見守る中で撮影が行われたことも奏功した。
「すべてが本当の世界で、そこで生まれ育って住職をしているのだから空気を感じればいいだけで、イメージする必要がないんですよ。何より八十八カ所霊場のひとつなので、撮影中にもお遍路さんが来る。その間は絶対に撮影はできないんですけれど、待ち時間に見ているだけでも気持ちが全然変わってくる。すべてがプラスに働きました」
まさに、1人の普通の青年が住職となって成長していく過程を追体験したかのよう。公開が間近に迫り不安はあるものの楽しみの方が大きいのは、言葉のはずみ具合からも見て取れる。それは真壁監督も同様のようだ。
伊藤「封が切られたら自分のところから巣立っていく寂しさと、皆さんに見ていただける楽しみが複雑に絡み合っている感じ。でも間違いなく言えるのは、見てくれたら絶対に何かを感じてもらえる作品になっています」
真壁「見ていただけたら何もなかったではなく、言葉や今治の空気感、ストーリーに感動したなど、人によってポイントは違うと思うけれど何かしら響くところがある。それぞれのポイントを見つけてほしいですね」
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