「罪の余白」吉本実憂の“悪女”ぶりに内野聖陽「してやられた」
2015年10月2日 12:45

[映画.com ニュース] 芦沢央氏の第3回野性時代フロンティア文学賞受賞作を映画化した「罪の余白」で初共演を果たし、劇中で激しいののしりあいに体当たりで挑んだ内野聖陽と吉本実憂が、インタビューに応じた。
名門女子高に通う娘・加奈(吉田美佳子)を転落事故で亡くした行動心理学者・安藤(内野)が、真相を追って娘のクラスメート・咲(吉本)に接触。学園の頂点に君臨し、目的のためには手段を選ばない咲の邪悪な本性を目の当たりにしていく。
テレビドラマ「JIN 仁」シリーズで演じた豪気な男のイメージが強い内野にとって、娘を亡くした喪失感から暴走していく父親は、今までにない役柄だったという。内野は、「(安藤は)非常に繊細。これはチャレンジしがいがあるなと思った。誰にでも共感できるお父さんであることを大事にして、センシティブな感覚になれるように務めた」と役作りのキーワードに“弱さ”を挙げる。「一番示唆を受けたのが、お酒を持ちながら学校の先生にクレームをつけるシーン。勇気にお酒が必要な人というのがすごくヒントになりました」と明かし、「自分にもそういうところがある」という安藤のキャラクターを振り返った。
一方、第13回全日本国民的美少女コンテストでグランプリに輝いた吉本にとっても、「最初は、どこを楽しんだらいいかわからなかった」と語る“モンスター女子高生”と向き合うことは、大きな挑戦となった。「感情が入っていないと、相手役の方が怖くないと大塚(祐吉)監督に言われて、1カ月のリハーサルでいろんな感情を出せるようになりました」と、時間をかけて役を理解していったと話す。その成果が如実に出たのが、コンビニで安藤と咲が相対するシーン。「親子そろってつまんねー」と言い放った咲に耐えかね、安藤は思わず手を上げてしまうが、そこには役と真摯(しんし)に向き合い続けた吉本だからこそのこだわりがあった。「どういう言い方をしたら、大人が女子高生を殴りたいという感情を抱くのかと考えて、『親子そろって』と付け足しました。そう言った方が怒るかなと思って」。ベテラン俳優の内野をもってして「相手の心を傷つけるのが彼女の目的だったでしょうから、まんまとしてやられました(笑)」と舌を巻くほどのなりきりぶりを見せた吉本は、「お芝居って感情が大切なんだなって、心で感じさせてもらいました」とほほ笑んだ。
安藤と咲の攻防が本作の見どころの1つだが、内野と吉本は、咲は決して狂気の存在ではなく、あくまで1人の人間であるという見解を示す。「咲は悪魔とは言われているけど、周囲からすると憧れる存在。私がクラスメートだったら、格好いいなと思うかもしれない」(吉本)、「レッテルを貼ることで見えなくなるものもあるという投げかけがなされている。咲は夢を求める純粋な子で、他人よりも心に飢えや欠落があるのかもしれないけれど、ある意味普通の女子高生でもある」(内野)。それぞれにパブリックイメージと異なるキャラクターを演じきった2人は、さまざまな立場からの意見を聞きたいと意気込んでいた。
「罪の余白」は、10月3日から全国公開。
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