串田和美氏、舞台を初めてカットしたNEWシネマ歌舞伎「三人吉三」に自信「独特なものができた」
2015年6月27日 21:05

[映画.com ニュース] 歌舞伎を映画館で上映するシネマ歌舞伎の第22作でNEWシネマ歌舞伎と銘打った「三人吉三(さんにんきちさ)」が6月27日、東京・渋谷Bunkamuraル・シネマなどで公開され、監督の串田和美氏と出演の笹野高史が同館で記念のトークショーを行った。
「三人吉三」は中村勘九郎、中村七之助、尾上松也によるコクーン歌舞伎として昨年6月に同じBunkamura内のシアターコクーンで上演。舞台の演出・美術を手掛けた串田氏が「テレビなどで舞台の中継ものを見ていると、作り手からするとなんか違うというか奇妙な気持ちだった。やるのならちょっと面白いものにしたいと思って、大変な苦労をして作った」と追加撮影や稽古のシーンも盛り込み、約3時間半の演目を2時間15分に凝縮した。
公演部分のシーンをカットするのはシネマ歌舞伎史上初めてで、串田氏は「たくさんの人の記憶と視点が見えるようにしたいと思い、客観的ではない舞台にはなかった独特のものができた」と自信ありげ。主演の3人が映画の試写を見た際には「皆黙っちゃって、作品はいいけれど自分の芝居は薄っぺらだって落ち込んで、悲しい顔をしていた」という。
これには、勘九郎演じる和尚吉三の父・土佐衛門伝吉役の笹野が「役者って自分のことしか見ていないから。私も反省ばかりでお恥ずかしい限り」とフォロー。自身は故中村勘三郎さんに誘われてコクーン歌舞伎に出演するようになった経緯があり、「大変な苦労をしたが、神さまが与えてくれた試練だった。代々受け継がれているDNAには勝てないが、コクーン歌舞伎を経験している人は周波数が違う。初めてお会いする方とも戦友同士のような気持ちになる」とその魅力を語った。
串田氏も「彼もこういうものは好きだろうし、今日もどこかで見ていると思う。それよりここに座りたくて悔しがっているんじゃないかな」と勘三郎さんに思いをはせていた。
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