3児の父がGMOの真実に迫るドキュメンタリー「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」監督に聞く
2015年4月24日 07:00

[映画.com ニュース]アメリカで3人の子どもを育てる父親の立場から、遺伝子組み換え(GMO)作物の真実に迫ったドキュメンタリー「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」が、4月25日公開する。子どもたちの食の安全を守るべく、世界各地に遺伝子組み換え食品の謎を探る取材を敢行したジェレミー・セイファート監督が来日し、撮影を振り返った。
遺伝子組み換え生物市場シェア90%を占める米国のモンサント本社、GMO導入に反対するハイチの農民、ノルウェーにある種子銀行の巨大冷凍貯蔵庫、遺伝子組み換え食品の長期給餌実験を行なったフランスのセラリーニ教授などを取材。子どもたちに与える食品について問題提起をしながら、遺伝子組み換えについてわかりやすく解説するとともに、食産業の驚くべき実態を浮かびあがらせていく。
今作は2013年に全米のミニシアター約20館で公開され、その後、DVDやネットフリックスなどで口コミが広がっていった。米国は世界最大のGMO作物生産国であるが、国民の食への関心はどの程度なのだろう。「少しずつ変化はしてますが、無関心の方がまだ多いと感じます。いくつかの州で、表示義務の法案を通そうという動きがあり、それから、人々の意識が変わってきたと思います。私のこの作品も少しではありますがその動きに貢献していると思います」

前作は食品廃棄問題を追い、長編2本目となる今作も食に関するドキュメンタリーとなったが、もともと食に対して意識の高い家庭で育ったわけではないという。「平均的な家庭で、食について語り合うようなことはありませんでした。私の両親は映画そのものはサポートしてくれていますが、GMOを食卓からすべて排除するまでには至っていません。留守中に彼らに預けた私の子どもたちはGMO食品を与えられているでしょう(笑)。そんな私が食に対するドキュメンタリーを2本も撮ったことは自分でも不思議です。この作品は、自分で題材を選んだというよりは、選ばれた感じがします」
遺伝子組み換え作物・食品の表示が義務付けられない米国の状況に絶望しているのか、それとも希望をもっているからこそ、声を上げ続けるのか問うと「両方です。現実を見ると暗い気分になります。権力と金、そこに政府の癒着がセットという、絶望以外ありません。しかし一方、私の子どもたちが私に希望を持たせてくれますし、多くの有機栽培農家の人たちと会ったり、パーマカルチャーだったり、美しくてよいものがたくさんあります。その両方を考えると、右手と左手に希望と絶望を持っている感じです」と本音を明かす。
そして、これから本作を見る日本の観客に向け「私たちが何かを食べたり、買ったりするたびに何かのシステムに貢献することになります。そのシステムの裏にあるものを見て、そこに皆さんが参加していることを意識して欲しいのです。私たちは地球をはぐくむことも、搾取することもできます。それは生活のすべてにかかわること。特に食に関しては、避けられないと知ってほしいのです」と訴えた。
「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」は4月25日渋谷アップリンクほか全国で順次公開。
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