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ベルリン映画祭ジェネレーション部門受賞作 震災孤児描く「人の望みの喜びよ」公開

2015年3月29日 06:30

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初長編作公開に感無量の杉田真一監督(左端)ら
初長編作公開に感無量の杉田真一監督(左端)ら

[映画.com ニュース] 震災で両親を失った幼い姉弟の絆を描く「人の望みの喜びよ」が3月28日、東京・テアトル新宿で公開初日を迎え、主演の大森絢音ちゃん、大石稜久くん、大塲駿平くん、吉本菜穂子西興一朗杉田真一監督が、同劇場で行われた舞台挨拶に出席した。

東日本大震災で両親を失った12歳の春奈と5歳の翔太の姉弟は、親戚の家に引き取られ新しい環境での生活を始める。春奈は翔太に両親が亡くなった事を秘密にし、日に日に両親への思いを募らせる翔太と、助けることができなかった両親への罪悪感を抱え続ける。しかし、翔太のまっすぐな思いが春奈の心を少しずつ動かしていく。子どもたちが審査員を務める第64回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で、最高賞に次ぐスペシャルメンションを受けている。

今作が初の長編作品となった杉田監督は、「すごく小さな映画なんですが、皆さんのお力をお借りしてでき上がった映画。思いに関していえば、すごく大きな映画になったなと思っています」と、撮影から2年越しの公開に感無量の面持ちを浮かべた。

さらに、主人公・春奈を演じた絢音ちゃんの「初主演を務めさせて頂いて、とても大変だったし辛かったんですが、共演者の皆さんやスタッフさん、監督さんに助けられて、みんなで一緒になっていい作品が作れた。こうして日本で見てもらうことができてうれしいです」という大人顔負けの挨拶に、会場からは感嘆の声と大きな拍手が沸き起こった。一方、春奈の弟・翔太を演じた稜久くんは「映画を撮ったときは5歳だったんですけど、7歳になりました」と満面の笑みで挨拶し、観客を魅了していた。

杉田監督は今作について「大人が子どもを描くという風にはしたくなかった」と話し、「(子どもたちと)一緒に考えて、『(このセリフを)言いたくなかったら言わなくていいし、こういう風に動きたくなければ動かなくていいよ』と。本当に心が動いて言葉を言いたいとか、動きたいと思ってくれるように、そこだけは大切にして作っている」とこだわりを明かした。

杉田監督が助監督の時代から一緒に仕事をしてきたという西は、「また日本映画に大事な監督ができたなと思いました。より多くの人に見てほしいという気持ちでいっぱいです」と感服した様子で称賛していた。

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