中国に興行コンテンツ輸出「ぴあ希肯」設立
2014年12月10日 07:45
[映画.com ニュース]ぴあはこのほど、中国・北京を中心に興行イベント企画制作事業を展開する「北京希肯国際演出有限公司」(北京希肯)に出資参画し、社名新たに合弁会社「北京ぴあ希肯国際文化発展有限公司(ぴあ希肯)」を11月15日に設立、日本内外の優良コンテンツの中国・東アジア地域への輸出・仲介事業を本格化すると発表した。
中国国内の興行許可取得会社への日系企業の出資参画は初めて。成長が期待される同国ライブ・エンタテインメント市場で、優良なコンテンツの輸入、事業拡大資金、チケット販売・プロモーションノウハウなどを求める「北京希肯」に対し、セブン&アイ・ネットメディア、経営共創基盤とともに日系3社で、資本金69.4556万人民元のうち36.5%を出資した。白井衛ぴあ取締役が副董事長に就いた。
北京希肯は、中国国内で興行イベント制作事業・モデルエージェント事業・芸術品交易(オークション)事業などを行う希肯グループの一社で、2000年に設立。中央国営企業「中国保利集団公司」の文化関連事業と密接で、主要都市に67館ある同国最大劇場ネットワーク「保利劇院」の各種エンタメ興行の仲介・プロデュースなどを担う。
ぴあは、かねて北京希肯との間で、日中間の興行コンテンツ輸出入の活性化に向けた協議を続けてきた。ほか日系2社が加わり、ぴあ希肯の発足が実現。参画4社の信用・事業経験・ノウハウ・人材等を活用し、中国国内外におけるライブ・エンタメ関連事業を展開、文化産業の発展に貢献、持続的な利益を実現する。
日本のライブ・エンタテインメント市場が約4000億円なのに対し、中国国内では最も一般的な音楽ジャンルであっても、公演数、市場規模ともにまだ日本の30%程度と推測。一方で、年収500万円以上に匹敵する年収5万元以上の人口は、現在でも中国が日本の約15倍、20年には約40倍に増加すると見られ、今後の経済発展と合わせて、市場規模の飛躍的な拡大が期待できるとする。
ぴあは、東アジア地域の事業拠点作りとともに、これまで単発企画が主体だった中国での興行形態を変革し、全国ツアー形式で開催可能な海外コンテンツを仲介する商社的な役割を担う目的。中国への輸出供給を狙う日本のプロダクション・コンテンツホルダーに対して、信頼性の高い新たなビジネス導線を提供する考えだ。(文化通信)
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