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「楽園追放」脚本・虚淵玄が語る「作品を読み解くカギ」とは?

2014年11月14日 20:00

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東映アニメーションの劇場オリジナル作品「楽園追放」
東映アニメーションの劇場オリジナル作品「楽園追放」
(C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

[映画.com ニュース] 11月15日から封切りとなる、東映アニメーションの劇場オリジナル作品「楽園追放 Expelled from Paradise」。フル3DCGでの制作が大きな注目を集めているが、「魔法少女まどか☆マギカ」や「翠星のガルガンティア」などで知られる脚本家の虚淵玄(ニトロプラス)が脚本として参加していることも重要なトピックだ。今回は、虚淵に「楽園追放」の製作秘話、ストーリーや設定に秘められた思いなどを聞いた。(取材・文/黒峰澄一)

本作は、東映アニメーションからCG技術の研究の一環として、立ち上げから虚淵に託された企画だった。公開を前にして、虚淵は長期に渡った製作を振り返って笑う。「本作は『まどか』よりも早く、5~6年前から企画されていた。まさか、作家としての知名度がこんなに上がった状態で公開されることになるとは……」。

監督は「機動戦士ガンダム00」や「鋼の錬金術師(2003年版)」で知られる水島精二。水島監督らとの本読み(脚本会議)は、虚淵にとって刺激的な体験だった。現場には、キャラクターデザインの齋藤将嗣やスカルプチャーデザインの浅井真紀が同席しており、齋藤がその場で描いたラフデザインを、ノートパソコンを持ち込んだ浅井が即座に立体として成立するかどうかを検証してしまうのだという。「ビジネス的な制約がほとんどない実験作だからできたこと」と、虚淵は本作に参加できた幸運をかみ締めていた。

気になるストーリーは、徹底管理された電脳世界・ディーヴァの捜査官であるアンジェラ・バルザックが、ある理由から組織に反旗を翻すという筋書き。物語に託されたテーマを虚淵に訊ねた。「『多様性』と『自由の在処(ありか)』です。人の定義が曖昧になった世界でのストーリーを描いてみたかった。これはSFだからこそできること」。

虚淵玄らが描く新たな世界
虚淵玄らが描く新たな世界
(C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

本作はアンジェラと、荒廃した地上に住むエージェント・ディンゴの2人による“バディもの”でもある。そのキャラクター造形は巧妙だ。「それぞれが各陣営を代表するキャラクター。肉体を捨てた官僚、肉体を持ち続けているアウトロー、そもそも人間ですらなかった知性体も登場する」。そこには秘めた思惑もあった。「各陣営に正当性があるストーリーにしたかった。アンジェラは合理的な社会に生きていながらも、案外とおバカなところもある。ディンゴも同じで、やれる範囲で一生懸命生きている。立ち位置は極端でも、共感できる“愚かしさ”を持たせた」のだ。

未見の人のために詳細は省くが、本作のストーリーの主軸には「宇宙ロケットの打ち上げ」が絡む。このモチーフ、虚淵にとっては「ロマンの塊」であるという。「僕らが子どものころには未来の象徴だった。それがコストを理由に切り捨てられていく現状に寂しさを感じた」。虚淵いわく「功利主義で考えれば無益な行い」を「主人公たちが命がけで支える徒労のお話」だ。しかし「そうした“愚かしさ”が、本作で描きたかったテーマのひとつ」といえる。人が持つ、ロマンを追い求める“愚かしさ”こそが、本作を読み解くカギになる。

虚淵いち推しのシーンはラストバトルだといい、「京田知己さんによるジャパニメーションアクションの真骨頂を存分に堪能できる。ぜひ大画面で見ていただきたい」と胸を張る。そして「3DCGによる作品は今日では少なくないが、それが今後定着していくことを本作で確信できた。みなさんもアニメーションの未来の可能性を確かめに、劇場に足を運んでください」とファンに呼びかけた。

楽園追放 Expelled from Paradise」は、11月15日から全国で公開。


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