監督の実母を撮ったドキュメンタリー「抱擁」がTIFFで世界初上映
2014年10月26日 12:35
上映前の舞台挨拶には、坂口監督をはじめ、プロデューサーの落合篤子、音楽の大沢充奈(あてな)、音響デザインの山下博文、音楽録音の一本嶋諭が登壇。それぞれの作品への思いを語った。
本作は、坂口監督の実母である坂口ちすえさんを4年に渡って監督自ら撮影したドキュメンタリー映画。長女と夫を続けざまになくし、精神的な混乱に陥ってしまうちすえさん。大量の精神安定剤で心を鎮めるちすえさんを、妹のマリ子さんは故郷の種子島に連れ帰る。愛するものを失った悲しみからの再生と、希望を見出すまでを綴る。
実母という繊細な題材に挑んだ坂口監督は、「この映画は私の母親を撮った映画。皆さんご自身のお母さんのことを思い浮かべながらご覧になって頂ければ」と観客に語りかけ、「(見るのが)厳しいなと思う場面もあるかと思いますが、最後まで見て頂ければと思います」と神妙な面持ちで挨拶した。
音響デザインの山下は「この映画にはリアルが、みなさんも経験するであろうことがいっぱい詰まっています。見て感じて頂けたらと思います」と作品に込められたメッセージを伝えていた。