「来るべき日々」ロマン・グーピル監督「私ができることは世に疑問を投げかけること」
2014年10月25日 19:30

[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第27回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「来るべき日々」の記者会見が10月25日あり、ロマン・グーピル監督と映画に出演した監督の妻サンダさんが出席した。
映画監督が、新しい企画を考える一方で自分の老いと向き合い、キャリアを見つめ直すさまを、シニカルかつユーモラスに描く。家族や友人関係から国際政治まで多彩なテーマを盛り込み、ドキュメンタリーとドラマを巧みに融合した作品。
高校時代に1968年の五月革命に参加し、その後シャンタル・アケルマン、ロマン・ポランスキー、ジャン=リュック・ゴダールら名匠とともに仕事をしてきたグーピル監督。今作でも、国内政治への批判のほか、シリアやリビアなど国際問題を巧みに盛り込んでいる。「幸いにして、1本の映画では世を変えることはできません。もしできたのなら、独裁者が義務化して学校で見せてしまうでしょう。(問題の)解決法を提示することはできませんが、私ができることは、疑問を投げかけること。そしてそれがさまざまな国や人に伝わることを望んでいます」と自身の映画が果たす役割について語る。
今作では、サンダさんと2人の子どもを撮ったプライベートな映像をフィクションとして作品に挿入している。自伝的作品なのかと問われると「私は昔から、家族や友人たちをカメラで撮影していて、1962年の最初の作品から、それらの映像を作品に取り入れています。長いものや自伝的な作品を作ろうとしているのではなく、それが私の作品のスタイルなのです」と説明する。家族でサラエボを訪れた際の映像や、サンダさんのヌードなども劇中で映されており、「ブルカを着るなど、原理主義への抵抗としてサンダが裸で寝るということをあえてやっています」とその意図を語った。
サンダさんは「ロマンは知り合ったときから、ずっとカメラを回していて、私も家族もみんな慣れきっています。子どもたちは大きくなってから撮影を嫌がるようこともありましたが、今回はシナリオを書いて演技をすることに乗り気になってくれました」と振り返った。
東京国際映画祭は10月31日まで開催。
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