「オオカミは嘘をつく」イスラエルの新鋭監督コンビ、製作スタンスは「見たい映画を作る」
2014年10月10日 15:40

[映画.com ニュース] バイオレンススリラー「オオカミは嘘をつく」を手がけたイスラエルの新鋭監督コンビ、アハロン・ケシャレス&ナボット・パプシャド監督が10月9日、東京・渋谷の映画美学校の学生に向け特別講義を行った。
クエンティン・タランティーノ監督が昨年の釜山国際映画祭で、「今年のNo.1作品」と絶賛したことでも注目を浴びる本作。凄惨な少女誘拐殺人事件をめぐり、暴力刑事と気弱な容疑者、復しゅうに燃える被害者の父親の3人が繰り広げる攻防と心理戦をスリリングに描く。
ケシャレス監督は、2人のデビュー作であるイスラエル初のホラー映画「ザ・マッドネス 狂乱の森」(日本未公開)を製作した際に「評論家からはクレイジー呼ばわりされたけど、僕らは僕らの作りたいものを貫いた。それが予想以上に国内でヒットし、国際的にも高い評価を集め、それ以降新しいイスラエルのジャンル映画が増えてきた」と現況を語った。さらに、「これまではイスラエルの映画賞には特殊メイクの部門がなかったけれど、僕らの作品をきっかけに設立されたんだ」と、本作がイスラエル映画界に及ぼした影響の大きさを語った。
観客の心理を揺さぶる緻密な仕掛けが多数ちりばめられているが、パプシャド監督は「スピルバーグ、ゼメキス、スコセッシ、デ・パルマ、タランティーノ、コーエン兄弟などに影響を受けたけれど、そういった映画はイスラエルにはなかった。この映画にはアクション、サスペンス、コメディ、ドラマ、虹のようにさまざまな感情を詰め込んでいる。戦略というよりは、僕らのハートを込めたつもり。あくまで僕らが見たい映画を作るというのが僕らのスタンス」と製作の動機を語った。
劇中で元軍人たちによる残虐な拷問が描かれるが、ケシャレス監督は「兵役に就けば人を殺す術、効果的な拷問のやり方を学ぶ。そのような男たちがイスラエルのような銃社会で復しゅうを行おうとすればどういうことが起こるのか、それも密かに暗示したつもり。女性がほとんど登場しないのも、イスラエル特有の男性社会、子どもっぽさを描きたかったから」と狙いを語った。
「オオカミは嘘をつく」は11月22日から全国公開。
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