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「グレート・ビューティー」挿入曲のアルボ・ペルトが世界文化賞受賞

2014年8月3日 07:45

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リハーサル中のアルボ・ペルト
リハーサル中のアルボ・ペルト
(C)日本美術協会/産経新聞

[映画.com ニュース] 第86回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したパオロ・ソレンティーノ監督の最新作「グレート・ビューティー 追憶のローマ」で使用された楽曲「My Heart's in the Highlands/我が心はハイランドにあり」の作曲者、アルボ・ペルトが2014年第26回高松宮殿下記念世界文化賞(音楽部門)を受賞した。

エストニア生まれのペルトは、現代で最も優れた作曲家の一人と評され、その作品は世界で最も多く演奏されていると言われる。ソ連統治下、わずかに手に入る情報をもとに、現代音楽の技法を身につけ、1960年代後半から、グレゴリオ聖歌など中世の単旋聖歌、ルネサンス期の多声聖歌など「祈り」の音楽の探求に転じ、簡素な音の組み合わせを、まるで鈴の音が鳴り続けるように一定のリズムで繰り返す「ティンティナブリ」という技法を生み出す。1976年のピアノのための小品「アリーナのために」で独自のスタイルの確立を印象づけた。2010年にはエストニア各地で生誕75周年を記念するイベントが行われ、30年ぶりに祖国に帰国。今回、エストニアから初の世界文化賞受賞となり、ペルトは10月15日の授賞式出席のため、来日する予定だ。

たった1作で巨万の富を得たローマ在住の初老の作家(トニ・セルビッロ)が、パーティーに明け暮れる退廃的な生活の中で、初恋の女性の死を知る。人生を見つめなおし、執筆活動を再開しようと決意する作家の姿を、ローマの情景と共に映し出し、イタリア映画としては15年ぶりとなるアカデミー賞外国映画賞受賞を果たした。音楽ではペルトのほか、ヘンリク・グレツキ、ジョン・タブナーらの現代音楽の巨匠の楽曲から、ダンスミュージックまでを混在させ、ローマの倦怠と優美さを表現している。

グレート・ビューティー 追憶のローマ」は、8月23日Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。

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